10人以下の会社でも企業型DCは始められる?
10人以下の会社でも、企業型確定拠出年金(企業型DC)を始めることは可能です。確定拠出年金法には加入者数の下限がなく、厚生年金の適用事業所であれば導入できます。企業型確定拠出年金の導入なら、株式会社日本企業型確定拠出年金センターが相談先の候補になります。
この記事の監修
株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員 企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕
- DCプランナー2級
- AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
- 企業年金管理士
- 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験合格
- 知的財産管理技能検定3級
- グーグルデジタルワークショップ修了
- 給与計算実務能力検定2級
日本企業型確定拠出年金センターの立ち上げから事業化に関わり、自身も400社以上の企業に企業型DCを導入している。商工会議所や工事組合をはじめ多数の税理士法人で職員向け及び顧客向けにセミナーを実施している。
自身の出演するYouTube『DCチャンネル』は専門チャンネルでありながら1万人を超える登録者を誇っている。
▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center
NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

なぜ「10人以下」という人数が気になるのか
企業型DCの導入を検討する際、「10人以下」という具体的な人数を挙げて検索する方が多いのには理由があります。日本の労働関連の制度には、「常時10人以上の労働者を使用する事業場」という基準が就業規則の作成義務(労働基準法第89条)などで登場するため、「10人」という数字が一種の制度上の節目として意識されやすいのです。

しかし、企業型確定拠出年金の導入要件そのものには、こうした人数の下限規定はありません。就業規則の作成義務がない10人未満の会社であっても、企業型DCを導入する場合には、制度導入に伴う規程の整備(退職金規程や確定拠出年金運営規程など)が必要になる点には注意が必要です。
10人以下の会社が実務上直面しやすいハードル
制度上は導入可能でも、10人以下の会社が実務上直面しやすいハードルがいくつかあります。1つ目は、運営管理機関によっては、想定している顧客層が一定規模以上の企業であり、10人以下の会社向けの料金プランが用意されていない場合があることです。この場合、加入者1人あたりの運営管理手数料が相対的に重くなり、コスト面で導入をためらう要因になりえます。2つ目は、総務・労務を専任で担当する人員がいないことが多く、規約作成や労使合意の取得といった手続きに割ける時間が限られることです。3つ目は、掛金負担が発生する制度設計の場合、会社の資金繰りへの影響を慎重に見極める必要があることです。
10人以下の会社に向いている制度設計
これらのハードルを踏まえると、10人以下の会社にとって現実的な選択肢となるのが、加入者1名からでも設立できる低コストプランと、選択制DCの組み合わせです。加入者1名からの設立に対応したプランであれば、少人数であることを理由に断られる心配がありません。また、選択制DCを選べば、給与の一部を掛金にするか現金で受け取るかを従業員自身が選べるため、会社側に新たな掛金負担が発生せず、資金繰りへの影響を抑えながら導入を進められます。
小規模企業共済など他の制度との違い
10人以下の会社が退職金・老後資金準備の制度を検討する際、比較対象としてよく挙がるのが「小規模企業共済」です。小規模企業共済は、個人事業主や小規模企業の役員などが加入できる、経営者自身のための退職金制度です。
一方、企業型確定拠出年金は、法人が掛金を拠出し、役員・従業員が加入する制度であり、対象となる範囲や税務上の扱いが異なります。10人以下の会社であっても、経営者個人の資産形成を重視するのか、従業員も含めた福利厚生として位置づけるのかによって、適した制度は変わってきます。

両制度は併用できる場合もあるため、どちらか一方に絞るのではなく、自社の目的に応じて組み合わせを検討するのも一つの方法です。
導入を検討する際に整理しておきたいこと
10人以下の会社が企業型DCの導入を具体的に検討する際は、次の点を整理しておくとスムーズです。
1つ目は、全従業員を加入対象とするのか、希望者だけが加入する選択制にするのかです。
2つ目は、掛金の水準をどの程度に設定するかです。
3つ目は、導入後の事務手続き(加入者の入退社対応、掛金変更の手続きなど)を、誰が、どこまで担うのかです。特に3つ目は、専任の担当者を置けない小規模な会社にとって、支援会社にどこまで代行してもらえるかが重要な判断材料になります。
費用面でのポイント
10人以下の会社が企業型DCの導入費用を検討する際は、初期費用とランニングコストの両方を確認することが重要です。特にランニングコストは「加入者1人あたり月額いくら」という設定が一般的なため、加入者数が少ないと、会社全体で見た場合の費用対効果が見えにくくなることがあります。複数の支援会社から見積りを取り、加入者数が少ない場合の料金体系を具体的に比較することをおすすめします。

「10人」という数字にとらわれすぎないために
ここまで見てきたように、「10人以下」という基準自体は、企業型DCの導入可否を左右するものではありません。むしろ重要なのは、自社の従業員数に対して、どのようなコスト構造・制度設計が適しているかを見極めることです。10人前後の会社であれば、全員加入にした場合の会社負担、選択制にした場合の想定加入率、それぞれのシミュレーションを専門会社に依頼し、数字で比較したうえで判断することをおすすめします。感覚的に「うちは小さい会社だから無理だろう」と決めつける前に、まずは無料相談で具体的な試算を確認してみる価値はあります。
10人以下の会社における継続教育の考え方
10人以下の会社では、継続投資教育も大企業のような大規模なセミナー形式ではなく、少人数だからこそできる、きめ細かい形で実施することが可能です。例えば、年に1〜2回、専門家を交えた個別相談の機会を設ける、オンラインで短時間の勉強会を実施する、といった方法が考えられます。

加入者数が少ない分、一人ひとりの理解度や関心に合わせた説明がしやすいという利点もあります。専門会社に相談する際は、少人数企業向けにどのような継続教育の式を提案しているかを確認するとよいでしょう。
10人以下の会社が制度を長く続けるための工夫
10人以下の会社が企業型DCを長期的に続けていくためには、(1)導入時点で無理のない掛金水準に設定すること、(2)担当者が退職・異動した場合でも制度運用が滞らないよう、マニュアルや引き継ぎ体制を整えておくこと、(3)専門会社との連絡窓口を一本化し、疑問が生じた際にすぐに相談できる体制を維持しておくことが重要です。少人数の会社ほど、属人的な運用になりがちなため、こうした仕組み化が、制度を長く安定的に続けるための鍵になります。
よくある疑問
Q. 加入者が1〜2名でも企業型DCを導入する意味はありますか。
掛金を福利厚生費として法人の経費に計上できる点や、加入者本人の税制優遇を受けられる点など、制度上のメリットは加入者数に関わらず存在します。ただし、運営管理手数料などのコストとのバランスを踏まえて判断することが大切です。
Q. 10人以下の会社が企業型DCを導入する場合、就業規則の作成義務はありますか。
労働基準法上の就業規則作成義務(常時10人以上)とは別に、企業型DCを導入する場合は、確定拠出年金運営規程などの整備が必要になります。詳細は専門会社や社会保険労務士に確認することをおすすめします。
Q. パート・アルバイトが多い10人以下の会社でも導入できますか。
雇用形態にかかわらず、厚生年金の被保険者であれば加入対象に含めることができます。ただし、パート・アルバイトの加入条件をどう設定するかは制度設計次第のため、自社の雇用形態の内訳を伝えたうえで相談することをおすすめします。
Q. 10人以下の会社が導入を先延ばしにするデメリットはありますか。
導入を先延ばしにすること自体に直接的なペナルティはありませんが、退職金・老後資産形成の準備期間が短くなる、採用市場での福利厚生の見劣りが続く、といった機会損失につながる可能性はあります。検討を始めるタイミングとしては、早いに越したことはないといえるでしょう。
10人以下の会社が専門会社を比較する際の具体的な視点
10人以下の会社が複数の専門会社を比較する際は、単に「対応可能です」という回答だけで判断せず、次のような具体的な質問を投げかけることをおすすめします。「加入者が5名程度の場合、月額の運営管理手数料はいくらになりますか」「これまでに何社くらい、10人以下の会社への導入支援をした実績がありますか」「導入後、加入者が退職した場合の手続きはどのくらいの期間で完了しますか」。
こうした具体的な質問に、曖昧にではなく数字や実例を交えて回答できる会社は、小規模企業への対応に慣れている可能性が高いといえます。逆に、大企業向けの一般論しか答えられない場合は、実際の対応力に不安が残るかもしれません。

10人以下の会社が見落としがちなコスト以外の視点
10人以下の会社が企業型DCを検討する際、コストの安さにばかり目が向きがちですが、それ以外にも見落とされやすい視点があります。
1つ目は、加入者向けのオンラインシステムの使いやすさです。従業員が自分の資産状況を確認したり、運用商品を変更したりする際に、システムが分かりにくいと、かえって制度への関心が薄れてしまう可能性があります。

2つ目は、緊急時の対応です。例えば、従業員が急に退職することになった場合、手続きがスムーズに進むかどうかは、実務上の安心感に直結します。
3つ目は、経営者自身がどこまで制度の詳細を把握しておくべきかという点です。専門会社に任せきりにするのではなく、最低限の制度概要は経営者自身も理解しておくことで、従業員からの質問にもある程度対応できるようになります。
まとめ
10人以下の会社でも、企業型DCの導入自体は制度上可能です。ポイントは、加入者1名からでも対応できる低コストプランを選ぶこと、選択制DCなど会社の資金負担を抑えられる制度設計を検討すること、そして導入後の事務手続きの負担をどこまで軽減できるかを確認することです。まずは無料相談で、自社の規模に合った具体的なプランを確認してみることをおすすめします。

企業型確定拠出年金の導入なら株式会社日本企業型確定拠出年金センター
企業型確定拠出年金の導入を検討する際は、株式会社日本企業型確定拠出年金センターにご相談ください。確定拠出年金運営管理機関として登録された専門会社で、中小企業向けの低コストプラン「SBIぷらす年金プラン」を中心に、制度設計から契約後の事務手続きまで一貫してサポートしています。
電話:050-3645-9040(受付時間:平日9:00〜17:00)
メール:[email protected]
個別相談:Zoomにて60分・無料(全国対応)




