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企業型確定拠出年金を脱退するとどうなる?

脱退一時金の申請手続きを解説

企業型確定拠出年金を導入している企業を離職するとき、状況によっては脱退一時金を受け取れます。ただし、脱退一時金を受給する条件に該当しない場合は、iDeCo(個人型確定拠出年金)への移管が必要です。

今回は、何らかの事情で企業型確定拠出年金を脱退したときの対処法を解説します。

脱退一時金を受け取るための手続き

脱退一時金を受け取るための手続きについて解説します。

企業型確定拠出年金を脱退し、脱退一時金を受け取るためには以下の条件に該当する必要があります。

個人別管理資産額が
1.5万円以下である場合

 

企業型DC加入者、企業型DC運用指図者、iDeCo加入者及びiDeCo運用指図者でないこと

最後に企業型DCの資格を喪失した日の翌月から6ヶ月を経過していないこと

個人別管理資産額が
1.5万円を超える場合

企業型DC加入者、企業型DC運用指図者、iDeCo加入者及びiDeCo運用指図者でないこと

最後に企業型DCの資格を喪失した日の翌月から6ヶ月を経過していないこと

60歳未満であること

iDeCoに加入できない者であること

日本国籍を有する海外居住者(20歳以上60歳未満)でないこと

障害給付金の受給権者でないこと

企業型DCの加入者及びiDeCoの加入者として掛金を拠出した期間が5年以内であること、又は個人別管理資産額が25万円以下であること

企業型確定拠出年金が導入されている企業を離職したあと、いずれの確定拠出年金制度にも資産を移管できないとき、脱退一時金を請求することが可能です。離職しない場合でも、企業型年金規約により定められている資格を喪失したときは、脱退一時金を請求できる可能性があります。

脱退一時金を受け取る場合には、運営管理機関に対して手続きを行います。脱退一時金の申請書を入手し、必要事項を記載したうえで必要な添付書類(身分証明書や退職証明書の写しなど)を揃えて運営管理機関へ送付するのが一般的な流れです。

運営管理機関が書類を審査し、不備がない場合は指定された口座に脱退一時金が振り込まれます。しかし、手続きの過程で不明点や質問が出てきた場合には、早めに企業の担当者や運営管理機関に相談しましょう。

脱退一時金の金額

脱退一時金の金額とは?

脱退一時金の金額は、脱退時における年金原資です。拠出した掛金と運用益の合計が、受け取れる脱退一時金の額となります。

脱退一時金を受け取れない場合

脱退一時金を受け取れない場合に注意しましょう。

条件に該当すると脱退一時金を受け取れますが、企業型確定拠出年金から脱退したあとは確定拠出年金制度間で資産を移管するのが一般的です。

例えば、転職先の企業に企業型確定拠出年金がある場合は当該制度に資産を移換し、転職先に企業型確定拠出年金がない場合はiDeCo口座を開設したうえで資産を移換します。

企業型確定拠出年金コンサルタントのアドバイス

きちんと資産を移換することで、自身の年金資産を継続的に運用できます。確定拠出年金制度は、非課税で運用しながら老後資金を計画的に用意できるメリットがあるため、メリットを最大限活かすためにも移換手続きを必ず行いましょう。

自動移換に注意

自動移換に注意しましょう。

脱退一時金を請求できず(請求を忘れている場合を含む)、企業型確定拠出年金やiDeCoへの移換を行わない場合は、資産が国民年金基金連合会へ「自動移換」されます。

自動移換されると、さまざまな不利益が起こるため注意が必要です。

運用できなくなる

自動移換されると、一切運用ができません。それまで運用していた商品はすべて売却され、現金として保管されます。

確定拠出年金には非課税で運用できるメリットがありますが、自動移換されるとメリットを活かせません。そもそも運用できず運用益が得られないため、機会損失が発生してしまうでしょう。

さまざまな手数料が発生する

自動移換されると、以下のようにさまざまな手数料が発生します。

 自動移換されるとき:4,348円(国民年金基金連合会へ1,048円、特定運営管理機関へ3,300円)

自動移換されている間:毎月52円

企業年金やiDeCoへ移すとき:1,100円

自動移換されると、本来であれば支払わずに済む余計な手数料を負担することになります。継続的にコストを負担するため、非常にもったいないといえるでしょう。

毎月52円は大した金額ではありませんが、運用されずに差し引かれるため、ひたすら資産が減り続けてしまいます。

老齢給付金を受け取るタイミングに影響する

確定拠出年金やiDeCoでは、加入期間に応じて老齢給付金を受け取れる年齢が以下のように決まっています。

通算加入者等期間

受取開始年齢

10年以上

60

8年以上10年未満

61

6年以上8年未満

62

4年以上6年未満

63

2年以上4年未満

64

1月以上2年未満

65

自動移換されている期間は、通算加入者等期間に算入されません。当初予定したタイミングで老齢給付金を受け取れない可能性があるため、注意が必要です。

例えば5年間企業型確定拠出年金に加入したあとに転職し、自動移換されたまま放置していると、受け取れるのは早くても63歳からです。

老齢給付金を受け取る時期が当初の想定よりもずれると、老後の資金計画に影響が出るかもしれません。

脱退一時金の税金関係

脱退一時金の税金関係の解説をします。

脱退一時金は「一時所得」に該当します。「受け取った脱退一時金-収入を得るために支出した掛金-特別控除額(50万円)」で一時所得を計算し、必要に応じて納税を行う必要があります。

なお、一時所得は計算した所得金額の2分の1が課税対象となります。給与所得をはじめとした他の所得の金額と合計して総所得金額を求めたあとに、納税額を計算しましょう。

まとめ

まずは無料相談にお申込みください。

企業型確定拠出年金を脱退する際に、条件を満たすと脱退一時金を請求できます。運営管理機関に請求をするため、必要書類や申請の流れを確認しておきましょう。

ただし、脱退一時金を請求できるケースは少なく、多くの場合は企業型確定拠出年金やiDeCoに資産を移換します。移換を忘れると国民年金基金連合会に自動移換され、さまざまな不利益を被るため注意しましょう。

日本企業型確定拠出年金センターでは、運営管理機関として企業型確定拠出年金を導入する企業様をサポートしています。導入のサポートだけでなく、従業員説明会の対応や導入後の事務手続きもサポートするので、安心してご依頼ください。

個別相談は企業型確定拠出年金導入関する相談です。個人の運用相談ではありません。

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