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(株)日本企業型確定拠出年金センター
確定拠出年金運営管理機関番号794
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企業型確定拠出年金(企業型DC・企業型401k)とは、将来に備えて資産を作るための企業年金のひとつです。一般的に企業が掛金を拠出(積立)し、従業員がその掛金を金融商品などに投資運用することで、資産形成を行います。
最近は、確定拠出年金制度のルールが緩和され、より利用しやすい制度へと変化していることで、注目している企業が増加しています。導入を検討している企業担当者の中には、どのような制度設計がよいのか、掛金の拠出額の設定はどうしたらよいのか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、掛金の拠出について取り上げ、日本企業型確定拠出年金センターが解説していきます。
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、原則として、会社が掛金を拠出(積立)し、従業員がその掛金を金融商品に投資し、運用することで資産を形成していくものです。原則60歳以降に、運用してきた資産を給付金として年金や一時金で受け取ることになります。
現在は多くの企業で導入が進んでいます。会社は長期に渡って退職金を準備する従来の退職金制度に代えて、従業員自身が運用していく企業型DC・企業型401kほうが、会社の財務リスクを下げられるという背景もあるでしょう。
加えて、働き方の変化が生じてきた現在、従業員にとっても、資産を持ち運ぶことのできる企業型DCに魅力を感じる人も多いようです。税制面においても、非常に大きな優遇がされているため、注目が集まっています。
企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛金は、会社が拠出することになります。拠出にあたっては、規約に掛金に関するルールを定める必要があります。
掛金拠出には、限度額が決まっており、この限度額を超えて拠出することはできません。また、会社が拠出する掛金に加え、従業員自身が掛金を上乗せ拠出(マッチング拠出)することも可能です。
【拠出限度額】
企業型DC(企業型401k)のほかに併用している制度 | 拠出限度額 |
---|---|
なし | 月額55,000円 |
退職一時金 | |
中小企業退職金共済 | |
確定給付企業年金 | 月額27,500円 (年額330,000円) |
厚生年金基金 |
〇マッチング拠出とは?
規約に定めることで、会社が拠出する掛金に、従業員自身が掛金を上乗せすることができます。
ただし、マッチング拠出を行う場合も、掛金の拠出限度額があり、以下の2点を満たす必要があります。
・従業員の掛金額は、会社の掛金額を超えないこと
・会社掛金+従業員掛金=合計掛金額は、掛金の拠出限度額を超えないこと
企業型DC(企業型401k)制度の肝とも言える掛金を、どのように決めるのかについて確認しておきましょう。まず、掛金は規約に必ず定めることになっています。
もっとも、規約に定めれば、何でも良いということではありません。掛金の拠出限度額内で、金額を設計することが必要です。金額の設計方法には「定額」「定率」「定額+定率」3通りが認められています。いずれかの方法で掛金を定めなければなりません。
【定額】
全加入者(従業員)が同額の掛金「定額」になるようにしなければなりません。勤続年数、年齢、資格等級、役割や会社への貢献度合が異なっても、全員同額です。労使間の合意があっても認められません。
【定率】
「定率」も定額同様の考え方です。給料等に一定率を乗じた額を掛金とします。勤続年数等に応じて、複数の率を設けるようなことも認められていません。ただし、その率を乗ずる給与について、一定の範囲のものを給与とみなすことは認められています。
・給与規定に定められた給与
基本給をはじめ、役職手当、技能手当など、毎月一定額が支給され、基準内賃金とみなされるような給与は認められます。賞与も含めることも可能です。
【定額+定率】
定額と定率を組み合わせて設計する方法です。
具体的な掛金を算出するための根拠となるのが「想定利回り」です。想定利回りとは、加入者にどの程度の運用結果を求めればよいのかといった指標になります。企業型DC(企業型401k)は、金融商品に投資して資産運用することになりますので、想定した利回りより実際に運用した時の利回りが低いと、損をしてしまいます。
想定利回りが高ければ運用結果への期待額が高くなります。会社の掛金拠出負担は低くなりますが、加入者(従業員)の運用への負担は大きくなります。一方、想定利回りが低ければ、運用結果への期待額は低くなります。会社の掛金拠出負担は高くなりますが、加入者(従業員)の運用負担は軽くなります。
想定利回り | 会社の掛金負担 | 従業員の運用負担 |
---|---|---|
高い | 軽い | 重い |
低い | 重い | 軽い |
2019年の企業年金連合会の調査によれば、企業型DC(企業型401k)制度導入時の想定利回りの平均は、年1.99%とされています。多くは、年1.5%〜2.0%あたりの利回りを設定するケースが多いようです。
企業型DC(企業型401k)では、想定利回りを運用利回りが上回れば、将来受け取れる金額が増えていくということになりますので、制度導入時の掛金設定は非常に重要なわけです。
いずれにしても、従業員の運用負担があまり重くならないよう、検討協議しながら、決定していくことになります。
法律的に認められている方法は、「定額」「定率」「定額+定率」の3つの方法ですが、確定拠出年金を扱う多くの会社はそのすべてに対応しておりません。定率であれば、昇給とともに掛金変更の手続きが発生するため、事務手続きが非常に煩雑になります。どの方法に対応しているかは運営管理機関に問合せください。
会社は企業型DC(企業型401k)の掛金を拠出することになれば、その掛金額を想定利回りや定額、定率法などを用いて、決定することになります。限度額内であれば、企業が独自に設定することになりますが、企業担当者としては、世間相場も気になるところです。
企業年金連合会2019年の調査によれば、掛金月額の平均は、8,526円となっています。制度を導入している会社のうち43.4%が、掛金月額を5,000円〜10,000円、29.6%が10,000円〜15,000円の範囲の中で設定しています。
企業型DC(企業型401k)制度と他制度を併用している会社の場合は、掛金月額の平均は5,610円となっています。
企業型DC制度は、長期に渡って運営をしていくことになります。1度始めたら、簡単にやめるという選択肢はありません。とはいえ、状況に合わせて掛金額の変更については可能です。とはいえ、掛金変更の事務負担等もありますので、年1回程度が妥当でしょう。ただし、以下のような場合には、随時変更が可能です。
(マッチング拠出を利用している場合)
・加入者掛金額を0円にする場合
・加入者掛金の決定方法を変更するために、加入者掛金の額を拠出できなくなる場合
・事業主掛金の額を引き下げたために、加入者掛金のほうが多くなってしまう場合
・事業主掛金の額を引き下げたために、拠出合計額が上限額を超えてしまう場合
掛金額を変更する場合、「加入者掛金額変更届」、一旦停止する場合には、「加入者資格喪失届」を運営管理機関経由で国民年金基金連合会へ提出する必要があります。
企業型確定拠出年金(企業型DC)制度の導入は、規約の作成、掛金設定のシミュレーション、従業員への制度説明、投資教育など、検討・協議すべき項目は多くあります。
とくに掛金をどのように設計していくかは、制度の根幹にもなる部分です。専門家のサポートを受けながら、最短距離で進めていくことをおすすめします。
また、今回は掛金を企業が拠出する設計での解説をしましたが、掛金を従業員が決めることができる選択制企業型確定拠出年金という設計も可能です。導入時の負担を減らしたい企業の方はこちらもご検討ください。
日本企業型確定拠出年金センターでは、300社を超える企業の制度導入に寄り添い、多くのノウハウでお客様をサポートしています。経験豊富なスタッフがサポートしていきますので、お気軽にご相談ください。
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