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医療法人化のメリットは?具体的な節税方法や法人化の条件などを解説
「クリニックを医療法人化すると節税できるって聞いたけど、本当?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
個人開業医や個人クリニックから医療法人化すると、節税メリットが期待できます。所得税率と法人税率との差を活かした節税方法や、企業型確定拠出年金をはじめとした法人ならではの方法で、節税を行えます。
こちらの記事では、医療法人を設立することで得られる節税効果や、医療法人化したときに検討すべき具体的な節税方法などを解説します。
個人クリニックを経営している医師の方に役立つ内容となっているので、ぜひ最後までご覧ください。
医療法人とは、医療サービスを提供することを設立目的とする法人です。厚生労働省の資料によると、令和5年度における医療法人数は58,005法人となっています。
「医療法」において、医療法人は以下のように規定されています。
「病院、医師若しくは歯科医師が常時勤務する診療所、介護老人保健施設又は介護医療院を開設しようとする社団又は財団は、この法律の規定により、これを法人とすることができる。前項の規定による法人は、医療法人と称する。」
個人クリニックと医療法人の大きな違いは「営利目的の活動を行えるか」です。個人クリニックは営利目的の活動を行える一方で、医療法人は営利目的の活動ができません。
さらに、個人クリニックを経営している医師は、一連の業務運営で得た収入を自由に使えます。しかし、医療法人の場合は一連の業務運営によって得られた収入が医療法人に帰属するため、医師は自由に使えません。
ほかにも、個人クリニックと医療法人では以下のような違いがあります。
個人病院クリニック | 医療法人 | |
開設・設立の手続き | 各種届出のみでよい | 都道府県知事の認可が必要 |
開設できる数 | 1ヶ所のみ | 分院を開設できる |
業務の範囲 | 病院・診療所 | 病院・診療所・介護老人施設など |
登記 | 不要 | 必要 |
決算期間 | 1月1日から12月31日 | 1年以内で自由に決定できる |
役員報酬 | なし | 自由に決定できる |
企業型確定拠出年金 | 不可(個人型確定拠出年金は可能) | 可能 |
出典:厚生労働省
多くの医療従事者や医療関連の経営者が注目している医療法人化は、単なる組織形態の変更ではなく、医療機関の経営戦略として非常に重要な決定です。医師が医療法人化する主な目的として挙げられるのが「事業の拡大」「税制優遇措置の活用」「法人組織としての信頼性の確立」です。
医療法人化すると分院の開設が可能となるため、事業の拡大を行えます。医療サービスの質と事業の持続性を高めるうえで、医療法人化は効果的な戦略と言えるでしょう。
さらに、医療法人の設立により個人事業主と異なる税率の適用やさまざまな税務上のメリットを享受できます。所得金額によっては、所得税よりも法人税のほうが低い税率が適用されるためです。
具体的には、法人税は比例税率で年800万円以下の部分は15%、年800万円を超過する部分は23.2%で計算します。一方で、所得税は累進課税の仕組みとなっており、最大税率は45%です。
【所得税率】
法人税は所得がどれだけ高くても23.2%で計算することから、年間所得が高い個人クリニックであれば、医療法人化するメリットが大きいでしょう。年間所得が800万円を超える医師の方は、医療法人化を検討してみてください。
医療法人化して法人格を得ることで、社会的な信用が高まるメリットも期待できます。これにより、資金調達の機会が広がることに加えて、社会貢献や医療の質の追求など、医療事業の本質的な目的の達成にも寄与するでしょう。
後継者問題の解決や事業のスケールアップなど、長期的な視点から見ても医療法人化は重要な戦略選択と言えます。
医療法人化により、経営の最適化と事業の持続可能性を高められます。分院の開設により多くの医療サービスを提供できるようになり、社会的信用を高められるメリットがあります。
ほかにも多くのメリットがあるため、確認しておきましょう。
医療法人化を行う大きな理由の一つは、税務上の節税メリットです。多くの所得を得ている個人クリニックの場合、医療法人化することで税負担を軽減できる可能性があります。
医療法人化して個人経営よりも税負担を抑えることで、内部留保が容易になります。その結果、医療機器の最新化や施設改善、人材育成への投資など高品質な医療サービスを提供する土台を築けるでしょう。
ほかにも、法人化することで企業型確定拠出年金制度を導入できるメリットがあります。企業型確定拠出年金制度では、役員に拠出する掛金は全額損金算入となるため、税負担を軽減する手段となります。
全額損金算入することで、医療法人の利益を圧縮して課税所得を抑えられます。また、役員の退職金づくりをサポートすることも可能です。税負担を抑えつつ退職後の生活に備えられるため、一石二鳥と言えるでしょう。
さらに、企業型確定拠出年金制度を導入することで従業員への福利厚生を手厚くできます。これにより、従業員が働くモチベーションが高まり、優秀な人材を確保できるメリットも得られるでしょう。
医療法人化することで、組織の透明性と信頼性を向上させ、社会的信用を高める効果が期待できます。法人格を持つことで、患者やビジネスパートナーからの信頼を得やすくなり、クリニックや病院の安定的な運営につながります。
具体的には、医療法人化することで分院の設立や介護事業施設などの経営を行うことが可能です。複数の事業所を展開することにより、収益の安定化を図れるでしょう。規模の大きさを活かして、医薬品や消耗品を割安で仕入れられるメリットも期待できます。
ほかにも、社会的信用性が向上することで金融機関からの融資が受けやすくなります。最新の医療機器を導入するシーンをはじめ、融資を受けたいときにスムーズに資金調達できれば、安定した事業運営につながるでしょう。
何となく「個人よりも法人のほうが信用できる」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。医療法人は厳格な審査を経て設立されるため、信用度が高い強みがあります。医療法人化することで、財務の最適化だけでなく患者満足度向上、スタッフの働きやすい環境作りを推進できるでしょう。
医療法人化には、メリットだけでなくデメリットも伴います。医療法人化を始める前に、法人運営のリスクを把握することが必要です。
例えば、医療クリニックからの医療法人化する際には、煩雑な手続きを行わなければなりません。定款の作成や自治体による面談、保健所の調査などを届ける必要があるため、医療業務以外に時間を割く必要が出てきます。
医療法人化した後にも、決算終了後3ヵ月以内に都道府県知事へ事業報告書を提出するなど、煩雑な諸手続きが発生します。会計処理が複雑になり、記録や報告の義務が増える点はデメリットと言えるでしょう。
書類の作成を作成するとき、専任スタッフを雇ったり外部専門家に相談したりすることで業務負担を軽減できます。しかし、外部専門家に依頼する際のコストが発生するため、手間暇とコストのバランスを考えることが大切です。
ほかにも、医療法人化すると社会保険の加入が必要になります。従業員を雇用保険・健康保険・介護保険・厚生年金保険に加入させる必要があり、社会保険料は労使折半となっているため、会社負担が増加します(雇用保険は労使折半ではなく、事業主負担のほうが多い)。
出典:厚生労働省
組織が大きくなるにつれて、管理はより複雑かつ煩雑になり、負担するコストが増加する点は押さえておきましょう。個人診療では患者一人ひとりに細かな対応を行いますが、法人では組織運営の効率化が求められバランスを取るのが難しくなるため、医療サービスの質に影響することもあります。
管理業務の負担増や組織運営のコスト、組織の巨大化による風通しの悪化など、医療法人化のデメリットはさまざまです。これらを考慮して、医療の質を保ちながら経営の安定と発展に寄与するか、事業の特性に応じた検討が必要です。
病院やクリニックを運営する医師が医療法人化する際には、企業型確定拠出年金の活用を検討しましょう。企業型確定拠出年金は、医療法人における理事長・役員や従業員の将来を支える有効な制度です。
公的年金の上乗せとなる私的年金制度なので、経営者と従業員の老後生活における経済的不安を軽減できるでしょう。老後の資金確保とともに、従業員の福利厚生を向上させることで組織のモチベーションを高める効果も期待できます。
企業型確定拠出年金とは、企業が毎月掛け金を拠出し、従業員自らが選択した金融商品で資産を運用する年金制度です。厚生年金保険に加入していれば、月額55,000円を限度として掛金を拠出できます。
役員に対して拠出する企業型確定拠出年金は全額損金算入となり、医療法人の利益を圧縮できます。税負担の軽減を通じて、経営の健全化を支えてくれるでしょう。
なお、選択制企業型確定拠出年金では、従業員は拠出するかしないかを自分の意志で決定できます。従業員は給与天引きで掛金を拠出する(つまり、手取りの給与は減る)ことになりますが、社会保険料の軽減を図れます。
つまり、計画的に老後の準備を行いつつ、法人と従業員本人が負担するコストを軽減できるのです。コストの軽減と従業員の満足度を高めるうえで、企業型確定拠出年金は有効な手段となり得ます。
2019年には「老後2,000万円問題」が話題になりましたね。実際に2,000万円が必要かどうかはさておき、少子高齢化の進展に伴って公的年金だけでは豊かな老後生活を送れない可能性は残念ながら高いでしょう。公的年金の上乗せとして、経営者も従業員も、企業型確定拠出年金を通じて老後生活に備える意義は大きいです。
税制の面で医療法人の経営者が注目すべきポイントは、経費計上の最適化です。医療法人が高い節税効果を得るには、法人保険をはじめ別法人の設立が考えられます。
法人保険は、医療界の経営者や医療従事者にとって、経済的安定と経営者の万が一の事態に備えるための有用な手段です。法人保険の中には、、支払った保険料の1/2が損金算入されるタイプや、支払った保険料の1/3が損金算入されるタイプが多くあります。
個人が保険を通じて行える所得控除は、年間12万円までです。個人よりも法人のほうが保険を通じて経費計上できるため、節税メリットが大きいと言えるでしょう。
もちろん、保険の本質は万が一の事態に備えることです。法人保険に加入し、保険金の受取人を法人に指定することで、災害や病気による運営リスクを防ぎ、将来の投資資本として充てることが可能です。
法人保険を通じて、節税効果を得つつも万が一の事態に備え、事業継続性を高められます。各法人に最適な保険プランを設計し、経営リスクを最小限に抑えるとよいでしょう。
MS法人とは「メディカルサービス法人」の略です。医療法人は医療行為以外の事業を通じて収入を得られませんが、MS法人は会社法に基づいて作られる一般法人なので、さまざまな事業を行えます。
MS法人を通じて医療器具の仕入・販売を行うことで、医療法人の利益をMS法人に分散できます。医療法人とMS法人で利益を分散することで、法人税を節税できるというスキームです。
ただし、単なる節税目的せ設立するMS法人は認可を受けられません。また、医療法人とMS法人間の取引は、市場価格と照らし合わせて適正である必要があります。
節税と脱税は全くの別物です。企業型確定拠出年金や法人保険を通じた節税は合法ですが、不適切な会計処理は違法(脱税)にあたります。医療法人として信用を得続けるためにも、適切な税務処理を行うことが大切です。
必要に応じて、税理士をはじめとする専門家と連携しましょう。専門知識を有するプロフェッショナルを頼ることで、適正かつ効果的な節税対策を実現できます。税理士と顧問契約を結び、定期的にコミュニケーションを取ることで、医療法人特有の税制面での疑問や問題点を早期に解決できるでしょう。
個人クリニックから医療法人化することで、税負担を軽減できる可能性があります。適切な会計処理を行うことは大前提として、法人ならではの節税手段を活用すれば、個人クリニックに比べて資金運用を効率化し経済的負担を軽減できるでしょう。
さらに、医療法人化することで社会的信用を高めることが可能です。事業の拡大や融資の受けやすさなど、医療機関の運営にあたって多くのメリットが期待できます。
医療法人の利益を圧縮する手段として挙げられるのが、企業型確定拠出年金です。企業型確定拠出年金は、法人の税負担を軽減できる効果だけでなく、経営者や従業員の老後にも備えられます。
日本企業型確定拠出年金センターでは、企業型確定拠出年金制度のしくみや制度設計のサポートはもちろん、導入後の手続きなどを行っています。医療法人への導入実績も豊富にあるため、長くお付き合いができるサポート先として、安心してご利用いただけます。お気軽にお問い合わせください。
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