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選択制確定拠出年金(選択制DC)で年金が減る? 
知っておくべきデメリットについて解説します。

従業員の将来の資産形成のために、導入が進んでいる企業型確定拠出年金(企業型DC)。最近では、従業員自身が掛金を拠出するかどうかを選択する「選択制DC」を採用する中小企業も増えています。

選択制DCを導入し、掛金を拠出した場合、社会保険料への影響があります。従業員には将来の公的年金が減るかもしれないという、思わぬデメリットの可能性も否定できません。今回は、選択制DC導入を検討する企業のみなさまに、理解しておきたい従業員のデメリットについて解説していきます。

 

動画でもわかりやすく解説しています!

DCチャンネルでは、動画で企業型DCのデメリットといわれている理由について解説しています。
また、社会保険料の変動が給付額や将来の年金に与える影響、また選択制DCを導入している企業や従業員が注意すべき点についても説明しています。
 
【目次】
0:00 ダイジェスト
0:10 選択制DCで社会保険料を下げるデメリット
1:00 メリット・デメリットの影響を受けるのはだれ?
2:02 デメリットの影響はどのくらい?
3:05 老齢厚生年金に与える影響は?
4:44 その他に影響するものは?
6:09 まとめ

目次

  1. 選択制DCのしくみと将来の年金が減る可能性
  2. 選択制DC導入後に影響の可能性のある社会保険の給付
  3. 従業員へのデメリットの可能性を「正確に」「丁寧に」説明を
  4. 選択制DCはメリットも大きい
  5. まとめ

選択制DCのしくみと将来の年金が減る可能性

社会保険料への影響は、従業員側にとっては、メリットばかりとは言い切れません。

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、会社が毎月掛金を拠出し、従業員が自ら資産を運用する年金制度です。従業員自身の運用成績によって、将来受け取る年金もしくは一時金が変動します。この企業型DCのうち、選択制DCでは、従業員の給与等の一部を掛金として拠出するしくみで、従業員本人が掛金を拠出するかどうかを選択できるというのが特徴です。

選択制DCは、従業員本人が拠出をするかどうかを選択するというしくみとあって、比較的導入をすすめやすい制度と言われています。また、社会保険料への影響もあります。

社会保険料に影響がある理由は、従業員が掛金を拠出することを選択した場合は、拠出した掛金分が全額非課税となるため、社会保険料を算定する標準報酬月額が減少することにつながるからです。

社会保険料が変わることは、会社にも従業員にもメリットが大きいようですが、従業員側にとっては、メリットばかりとは言い切れません。社会保険料が変わることは、将来的に受け取る公的年金額が減ることを意味します。社会保険料の変化は、将来の給付に影響があること、加えて、社会保険や雇用保険の給付についての影響も発生することを理解しておかなければなりません。

選択制DC導入後に影響の可能性のある社会保険の給付

厚生年金保険

老齢厚生年金 厚生年金被保険者期間の給与・賞与総額に応じた年金支給となる
障害厚生年金 障害状態となった場合、それまでの給与・賞与総額に応じての年金支給となる。
遺族厚生年金 厚生年金被保険者が亡くなった時、生計維持をされていた遺族に対して、給与・賞与総額に応じた年金支給が行われる。
健康保険
傷病手当金 私傷病で休職する場合に、直近1年間の給与に応じた手当金が支給される。
出産手当金 出産のために会社を休んだ時、直近1年間の給与に応じた手当金が支給される。
雇用保険
基本手当(失業給付) 失業したとき、直近6か月の給与に比例した給付が行われる。
育児休業給付金 育児休業を取得したとき、直近6か月の給与に比例した給付が行われる。
介護休業給付金 休業を取得したとき、直近6か月の給与に比例した給付が行われる。

従業員へのデメリットの可能性を「正確に」「丁寧に」説明を

従業員に正確で丁寧な説明が必要です。

こうした影響を従業員に十分に説明しないまま、導入されているケースが問題とされ、2020年に確定拠出年金の法令解釈通知が改正され、「選択制DC を実施する事業主に対し、給付額に影響する可能性を含め、従業員に正確な説明を行う必要がある」と示されました。

 

会社は、従業員への丁寧な説明や、投資教育で、運用がうまくいくような手厚いサポートしていかなければならないでしょう。

 
 

 

選択制DCはメリットも大きい

公的年金のみに老後の資産形成を任せてもよいのか?を考えてみましょう。

公的年金が減ると聞くと、選択制DCを導入する意味がないのでは、と感じる方も多いかもしれません。確かに年金や社会保険の給付額が減少するのは、デメリットに違いありません。

 

しかし、拠出する掛金によって、どの程度の影響があるのかは、シミュレーションが必要です。選択制DCに拠出しなかった場合の公的年金額以上の資産を、選択制DCの運用成果である年金資産でサポートできれば大きな影響はありません。

 

さらに、掛金の節税メリットも考慮し、総合的に判断・決定する必要があるでしょう。掛金額の変更も、規約によりますが、年1〜2回程度は可能なため、比較的自由度が高く、資産計画を練ることができるため、導入検討の際には、複数のケースを想定してシミュレーションしてみるのもよいでしょう。

 

 

まとめ

まずは無料相談にお申込みください。

選択制確定拠出年金(選択制DC)は、メリットの大きい制度ではあります。しかし、デメリットやリスクの可能性も否定はできません。とはいえ、従業員自身が正しく制度を理解し、自身の掛金の拠出額、家計や資産の状況に応じて、選択できるよう十分な説明を行うことができれば、適切な制度運営は可能です。

そのためには、導入時の説明会、諸規定の整備、従業員への問合せ対応と同意など、検討すべき事柄は多くあります。日本企業型確定拠出年金センターでは、制度についての質問、就業規則改定のサポートなど、幅広くサポートしています。お気軽にお問い合わせください。

個別相談は企業型確定拠出年金導入関する相談です。個人の運用相談ではありません。

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