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知っておきたい、企業型確定拠出年金(企業型DC)の受け取り方。日本企業型確定拠出年金センターが解説します。

企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)は、福利厚生制度の一環として導入するケースが増えている企業年金制度です。加入者(従業員)が掛金を自分自身で運用し、その運用成果によって将来受け取る年金や一時金の額が決まるという仕組みです。

この将来受け取る年金や一時金は、原則60歳以降に受け取ることになりますが、受け取り方によって、上手に節税が可能です。

今回は、将来受け取る年金や一時金について、日本企業型確定拠出年金センターが解説していきます。

 

企業型DCの受け取りは一括か?分割か?(動画)

企業型確定拠出年金(企業型DC)の受け取り方について動画でわかりやすく解説しています。

こちらも併せてご覧ください。

下記画像をクリックしていただくと、動画が再生されます。

企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)で将来受け取る老齢給付金とは?

今回は、将来受け取る老齢給付金について解説します。

企業型DC(401k)とは、会社が掛金を拠出し、加入者(従業員)がその掛金を運用して将来の年金資産をつくるという制度です。毎月の掛金を拠出して運用した資金は、将来、老齢給付金として年金や一時金として受け取ることが可能です。加入者が死亡した場合や障害を負った場合などにも給付金を受け取ることが可能ですが、今回は老齢給付金に着目します。

 

老齢給付金を受け取るためには、原則として60歳に到達以降になることが必要です。年金規約に定める加入者の資格喪失年齢(60〜70歳)に到達したとき、もしくは60歳以降に会社を退職し資格喪失したときに、通算加入期間に応じて、受給可能年齢で給付を受けることが可能です。

企業型DC(401k)の通算加入期間と受給可能年齢

企業型DC(401k)は、通算した加入期間と年齢によって、受給できる年齢が異なります。老齢給付金を60歳から受給するには通算して10年以上の加入期間が必要です。50歳までに加入していれば、60歳からの受給が可能になります。

つまり、50歳を以降に加入した場合には、受給開始年齢が60歳以降になります。退職金制度として利用している、また定年年齢の引き上げなどを検討している会社においては、受給開始年齢と定年年齢、自社の従業員年齢構成などをしっかりと確認しておきましょう。

 
加入期間 受給開始年齢 加入年齢
10年以上 60〜75歳の間 〜50歳未満
8年以上10年未満 61〜75歳の間 50〜52歳未満
6年以上8年未満 62〜75歳の間 52〜54歳未満
4年以上6年未満 63〜75歳の間 54〜56歳未満
2年以上4年未満 64〜75歳の間 56〜58歳未満
1月以上2年未満 65〜75歳の間 58〜60歳未満

通算する加入期間には、以下の期間も算入されます。
・企業型と個人型の間で資産を移管した場合、それぞれの期間
・確定給付企業年金や中退共などの制度から企業型DC制度に移管された場合の旧制度の加入期間

 

老齢給付金の受け取り方は「年金」もしくは「一時金」

基本的には「一時金」または「年金」として受け取ります。加入者(従業員)が今後のライププランにあわせて、どのような受け取り方がよいのか、選択します。受け取り方によって、税上の取り扱いが異なりますので、加入者(従業員)の退職時の年齢、加入期間、受給可能年齢、老齢給付金予定額などを予め確認し、どのような受け取り方がベストであるか検討することになります。

老齢給付金の受け取り方 【年金でもらう】

同じ老齢給付金でも受け取り方にも種類があります。

老齢給付金を年金として受け取る場合であっても、年金を受け取る期間が決まっています。年金を受け取る期間は、通常5年、10年、15年、20年といったように規約に定めた中から選択することが可能です。老齢給付金の受け取りは、75歳までとなってしまうので、75歳を超えて受け取りを行なっていない場合には、自動的に一時金として取り扱われることになります。

老齢給付金を年金として受け取る選択した場合には、公的年金などと同様に雑所得となり、所得税の「総合課税」対象となります。ただし「公的年金等控除」が適用されるため、税制上の優遇措置が行われます。

 
 

【総合課税】

所得を合算し、課税所得を計算するしくみ。不動産所得や配当所得、給与所得など所得税の対象となる所得のうち、分離課税対象のものを除いた所得を合算し、課税するしくみです。

つまり、企業型DC(401k)の老齢給付金を年金として受け取る場合、他の公的年金と併せて公的年金等控除が適用されることになります。

【公的年金等控除額】

公的年金等の収入金額の合計 65歳未満 65歳以上
130万円未満 60万円 110万円
130万円以上330万円未満 収入金額×25%+27.5万円 110万円
330万円以上410万円未満 収入金額×25%+27.5万円 収入金額×25%+27.5万円
410万円以上770万円未満 収入金額×15%+68.5万円 収入金額×15%+68.5万円
770万円以上1,000万円未満 収入金額×5%+145.5万円 収入金額×5%+145.5万円
1,000万円以上 195.5万円 195.5万円

厚生年金など公的年金と合算すると、控除額をオーバーするケースもありますので、年金として受け取る場合は、その受け取り期間や月々受け取る年金額をしっかり確認しておく必要があるでしょう。また、月々の所得が増えると、健康保険料が増えたり、医療費の自己負担割合が高くなることも想定されます。定年退職時期が近づいている従業員がいる場合には、予め説明しておく必要があるでしょう。

老齢給付金の受け取り方 【一時金でもらう】

受け取り方のメリット・デメリットを確認しましょう。

企業型DC(401k)の老齢給付金を退職時に一時金として受け取る方法もあります。その場合には一時金を「退職手当等」としてみなし、税制上の優遇措置が取られています。

年金で受け取る場合が総合課税として取り扱われるのに対し、一時金として受け取る場合には、申告分離課税として「退職所得控除」が適用されます。退職所得控除は勤続年数によって異なります。退職所得控除後の課税所得金額に対して、所得税が課税されます。

【申告分離課税】

総合課税が対象となる所得をすべて合算して所得税を求めるのに対し、申告分離課税は他の所得と分離して所得税を計算します。

【退職所得控除額】

勤続年数
(1年未満切り上げ)
退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数
*80万円に満たない場合は、80万円
20年超 (勤続年数-20年)×70万円+800万円

※勤続年数1年未満の端数は切り上げて1年とする。

課税退職所得金額=(収入金額―退職所得控除額)÷2

この金額に対して、所得税、住民税がかかります。

例えば、勤続30年、退職金が1,300万円の場合には、退職所得控除額が1,500万円となります。老齢給付金を一時金として受け取る場合、1,500万円-1,300万円=200万円となり、0以下ですので、全額退職所得控除内となり非課税という取り扱いになります。

企業型DC(401k)制度は、掛金を払い込んだ期間を、勤続年数としてみなします。従前の企業年金等から制度移行した場合などは制度移行による期間も算入されますので、間違えないようにしましょう。

 

まとめ

まずは無料相談にお申込みください。

年金として受け取るか、一時金として受け取るかは、それぞれの今後のライフプランによって選択するものです。

所得税・住民税など税金の面で考えると、一時金に大きな優遇がありますが、税金以外の面を考えると定期的に日常生活費用を年金という形で受け取るメリットも大きいでしょう。いずれにしても加入者(従業員)が、退職を迎えてから考えてるのでは時間が足りません。早いうちからリタイア後の資金計画を立てられるよう、会社としても従業員への丁寧な説明などサポートしていくことをおすすめします。日本企業型確定拠出年金センターでは、制度の導入から受取の方法のご説明まで、しっかりとアドバイスさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。

 
 
 

個別相談は企業型確定拠出年金導入関する相談です。個人の運用相談ではありません。

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