企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)運用時。「スイッチング」と「配分変更」とは? 日本企業型確定拠出年金センターが解説します。
老後の資産準備として注目されている企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)制度は、年々導入する企業が増加し、今後も増加が見込まれています。企業型DC(401k)は、通常、会社が毎月掛金を拠出し、従業員が用意された投資商品のラインナップの中から、任意に商品を選び運用していきます。受け取りは原則60歳以降となりますので、従業員は長期に渡って運用していくことになります。そこで、長期運用期間中に必要な知識として理解しておきたいのが「スイッチング」「配分変更」といった運用テクニックについてです。
今回は、企業型DC(401k)を導入することになったとき、企業担当者が投資商品について理解しておきたい基礎知識の「スイッチング」「配分変更」について、日本企業型確定拠出年金センターが解説していきます。
この記事の監修
株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員 企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕
- DCプランナー2級
- AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
- 企業年金管理士
- 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験合格
- 知的財産管理技能検定3級
- グーグルデジタルワークショップ修了
- 給与計算実務能力検定2級
日本企業型確定拠出年金センターの立ち上げから事業化に関わり、自身も400社以上の企業に企業型DCを導入している。商工会議所や工事組合をはじめ多数の税理士法人で職員向け及び顧客向けにセミナーを実施している。
自身の出演するYouTube『DCチャンネル』は専門チャンネルでありながら1万人を超える登録者を誇っている。
▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center
NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

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1. 企業型DC(401k)制度は、給付金受け取りまで運用していく仕組み
企業型確定拠出年金(企業型DC=401k)は、原則、会社が毎月掛金を拠出します。その掛金を資産として、従業員が運用商品を選び、60歳まで運用していきます。運用成果によって将来受け取る金額が左右するしくみになっています。
会社が掛金を負担するタイプだけでなく、従業員の給与の一部を切り出し掛金とする選択制DCといった制度もあります。ただし、運用商品を従業員自身が選択、運用していく点は、どちらの制度も同様です。
従業員が運用商品を運用していく、といった特徴の企業型DC(401k)制度。たとえば、新卒入社した時点で加入した場合には、定年まで40年近くの長期に渡って運用していくことになります。40代以降で加入したとしても、20年近く運用していくことになります。それだけ長期に渡って運用していくということは、取り巻く経済環境も変化しますし、自身の年齢によっても、アクティブな投資をしていきたいのか、守りの投資にしたいのか、など運用方針にも変化がみられるはずです。定期的に運用商品を見直す必要が発生してくるのです。
そこで、「配分変更」「スイッチング」といった運用テクニックを利用し、運用を見直していきます。
2. 配分変更
従業員は、企業型DC(401k)制度に加入し掛金を運用するとき、まずは用意された商品のラインナップの中から、いくつかの運用商品をセレクトします。そしてその運用商品に掛金のうちどのくらい配分するかということを決定します。
この掛金の配分を変えることを「配分変更」と言います。新たに商品を増やすことで配分変更することもありますし、商品はそのままに単純に掛金配分を変更する場合もあります。

3. スイッチングとは
現在保有している運用商品を売却・解約して、その資金で他の運用商品に買い換えることを「スイッチング」と言います。企業型DC(401k)制度で用意される運用商品は、元本確保型と呼ばれる定期預金や保険商品や、元本変動型と呼ばれる株式、債券、不動産(REIT)などの投資信託といったさまざまです。
マーケットの状況によって評価額も大きく変動しますので、その時に応じて、資産を組み分けるなどが必要な場合があります。

4. 「配分変更」「スイッチング」を行うタイミングは?
企業型DC(401k)制度は、原則、60歳まで掛金を拠出し、運用を続ける制度です。超長期の運用になる制度です。また、加入者(従業員)の加入時期によっても、その後の運用期間が異なります。
短期・中長期の視点で「配分変更」や「スイッチング」のタイミングを検討します。例えば、スケジュールを決め、一定期間ごとに見直すといったものがあります。商品を買い入れ投資した後、相場変動などで変化した投資配分比率を見直し、値上がりした商品を売り、値下がりした資産を買い増すなどにより、ポートフォリオ(資産配分)を最初と同じ比率に修正していく手法です。リバランスとも呼ばれ、年に1回リバランスを見直すなどすると、運用パフォーマンスが改善すると言われています。
長期的な視点では、年齢などに応じた資産配分に見直すということがあります。運用期間が長い20代と、給付を受け取る60歳が間近に迫ってきた50代とでは、資産配分の考え方が異なります。まだ20代であれば、ある程度ハイリスクハイリターンの商品を狙えますし、50代であれば、徐々にローリスクの商品にスイッチングしていくということも考えられます。
5. 「配分変更」「スイッチング」を行う時の注意
「配分変更」や「スイッチング」を行う場合、手続き自体に手数料などはかかりません。しかし、スイッチングの場合には、運用商品を売却・解約が伴うため、運用商品によっては、信託財産留保額や解約控除額といった手数料がかかる場合があります。
配分変更にはコストはかかりませんが、頻繁に行うのはおすすめしません。企業型DC(401k)制度の運用は、長期運用が特徴ですので、むやみに短期で変更するのは、かえって損をする場合もあります。
実際、「配分変更」や「スイッチング」を行う場合には、運営管理機関のサイトなどから簡単に行えます。しかし締め切りやスイッチングの回数など制限が設けられています。
6. まとめ
企業型DC(401k)制度は、加入者(従業員)自身が運用商品を選択し、運用していかなくてはなりません。まずは自らが目標とする利回りに合う資産配分を考えるところからスタートします。










