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企業の投資有価証券と企業型DC|役員の手取りを最大化する賢い資金活用法とは

企業の投資有価証券と企業型DC|役員の手取りを最大化する賢い資金活用法とは

「会社の利益を効率よく運用したい」「将来に備えて役員個人の資産も手厚くしたい」。経営者にとって、内部留保の活用方法は常に悩みの種です。

また、比較対象となりやすいのが、「内部留保による投資有価証券の運用」と、「企業型DC(企業型年金)への掛金拠出」です。どちらも資産形成の手段ですが、税務上の扱いから最終的な「手取り額」に至るまで、その性質は大きく異なります。

本記事では、2026年現在の税制に基づき、役員の手取りを最大化するための「賢い資金活用法」を解説します。

目次

1. 投資有価証券とは?会計上の「有価証券」との違いを整理

経営の現場で「有価証券」という言葉は頻繁に使われますが、会計上の「投資有価証券」には明確な定義と保有目的があります。

まずは、企業型DCと比較する前の前提知識を整理しましょう。

投資有価証券の定義:長期的な「利殖」と「支配・関係維持」が目的

会計上の投資有価証券とは、一般的に「長期的な利殖」や「他社の支配、あるいは取引関係の維持」を目的に保有する証券を指します。

上場株式や国債、投資信託などが含まれます。

1年基準(ワン・イヤー・ルール)で変わるB/S上の表示区分

「有価証券」と「投資有価証券」の最大の違いは、貸借対照表(B/S)における表示場所です。これは「1年基準(ワン・イヤー・ルール)」によって決まります。

・有価証券: 流動資産に計上。1年以内に換金・売却する予定のもの(売買目的有価証券など)。
・投資有価証券: 固定資産に計上。1年を超えて長期保有するもの。

なぜ「投資有価証券」が企業型DCの比較対象になるのか?

企業型DCは、将来の退職金代わりとなる「長期的な資産形成」を目的とします。

そのため、短期売買を目的とした有価証券ではなく、同じく長期保有を前提とする「投資有価証券」が、法人の資金をどこに投じるべきかの比較対象とされています。

2. 役員の手取りは、投資有価証券と企業型DCでどちらが最大化できるか

役員の手元に残る金額を最大化させるという視点で、両者の仕組みを比較します。

投資有価証券:法人税支払い後の「税後利益」で運用するコストとリスク

企業の内部留保で投資有価証券を購入する場合、その原資は「法人税等を支払った後の残り(税後利益)」です。

例えば、100万円の利益があっても、法人税(実効税率約30%と仮定)を支払うと、運用に回せる原資は約70万円に減少します。

さらに、運用で得た配当や売却益にも法人税が課されるため、「二重の税負担」を考慮する必要があります。

企業型DC:役員報酬を「全額損金」で拠出する税制優遇制度

一方、企業型DCの掛金は、全額が法人の「損金(経費)」として認められます。

最大の特徴は、拠出した掛金が役員個人の所得税・住民税の課税対象にならない点です。

本来なら税金として差し引かれるはずの資金を、そのまま「非課税」で運用に回せるため、運用開始地点で大きな差がつきます。

3. 投資有価証券と企業型DCの最適な活用法

どちらか一方が常に正解というわけではありません。企業の財務状況に応じた使い分けが重要です。

企業の流動性・安全性を重視し、法人の資産を厚くするなら「投資有価証券」

投資有価証券のメリットは、「法人の資産」として保有し続けられることです。

急な資金需要の際、売却してキャッシュ化できます。また、B/S上の純資産を厚くし、銀行融資の際の自己資本比率を高められます。

法人の財務基盤を強化しつつ、余剰資金を運用したい場合には投資有価証券が適しています。

H3:役員個人の「可処分所得」と「老後資金」を最大化するなら「企業型DC」

役員個人の資産形成を最優先し、将来の「手取り額」を増やしたいのであれば、企業型DCがおすすめです。

一度拠出した掛金は原則60歳まで引き出せませんが、その分、「法人税の適正化+個人の所得税・住民税が非課税」というメリットを享受しながら、個人資産を効率的に築けます。

H3:ハイブリッド戦略:内部留保を維持しつつ、企業型DCを導入するメリット

選択肢の1つとして、「法人の内部留保(投資有価証券)」と「個人の年金資産(企業型DC)」を併用することがあります。

法人の現預金や投資有価証券で経営の安全性を担保しつつ、毎月の役員報酬とは別に企業型DCを積み立てることで、会社全体の税負担を最適化しながら役員の将来に備えることができます。

4. 保有目的で変わる投資有価証券の会計処理と仕訳

投資有価証券を扱う上で、避けて通れないのが会計処理です。

経理担当者が押さえておくべきポイントを解説します。

保有目的による4分類(売買目的、満期保有、子会社・関係維持、その他)

会計基準では、有価証券を以下の4つに分類します。

1. 売買目的有価証券: 時価を貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理する。
2. 満期保有目的の債券: 原則として取得原価を貸借対照表価額とする。
3. 子会社株式及び関連会社株式: 取得原価を貸借対照表価額とする。
4. その他有価証券: 時価を貸借対照表価額とし、「全部純資産直入法」または「部分純資産直入法」で処理する。

その他有価証券の会計処理(全部純資産直入法・洗い替え方式)

この処理の最大の特徴は、「決算で時価評価しても、売却損益はあくまで『取得原価』との差額で計算する」という点にあります。

1. 購入時:取得原価で計上:まずは買った値段で資産に計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
投資有価証券 1,000,000 現預金 1,000,000

2. 決算時:時価評価(時価110万円):含み益を損益計算書(P/L)を通さず、直接バランスシート(B/S)の純資産に計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
投資有価証券 100,000 その他有価証券評価差額金 100,000

ポイント: この時点では利益(売却益)は発生していません。

3. 翌期首:洗い替え処理:前期末に行った評価替えをリセットし、帳簿価額を取得原価(100万円)に戻します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
その他有価証券評価差額金 100,000 投資有価証券 100,000

4. 売却時:利益の確定(120万円で売却):帳簿価額が100万円に戻っているため、売却額との差額がそのまま正しい売却益となります。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現預金など 1,200,000 投資有価証券 1,000,000
投資有価証券売却益 200,000

その他有価証券評価差額金と「全部純資産直入法」のポイント

「その他有価証券」の評価益は、売却するまでは損益計算書を通らず、貸借対照表の純資産の部に直接計上されます(全部純資産直入法)。

つまり、「含み益が出ても、売却しない限りはその年の法人税には影響しない」という点が、企業型DCの損金算入とは異なります。

5. まとめ

投資有価証券と企業型DC、どちらを活用すべきかの判断は、その資金をいつ、誰が使いたいかによって決まります。

・法人の財務基盤を固め、流動性を確保したいなら「投資有価証券」
・役員個人の手取りを最大化し、老後資金を効率的に作りたいなら「企業型DC」

特に企業型DCは、拠出時の税制優遇だけでなく、受取時も「退職所得控除」や「公的年金等控除」の優遇措置が適用されます。

法人の利益を確実に個人の資産へ移転する手段として、おすすめです。

経営者・企業担当者の方へ

日本企業型確定拠出年金センターでは、経営者・企業担当者のみなさまに、企業型DC導入に関する個別相談を無料で行っています。

制度導入のメリット・デメリットもお伝えできますので、ぜひ一度お問合せください。

よくある質問(FAQ)

Q 企業型DCの掛金は、役員報酬とは別に拠出できますか?

A はい、可能です。

会社が支払う掛金は全額が「損金(経費)」として認められます。

Q 投資有価証券の「含み益」に税金がかかるタイミングはいつですか?

A 原則として、売却して「利益」が確定したタイミングです。

Q 企業型DCの資産は、倒産した時に差し押さえられますか?

A いいえ、差し押さえられません。

企業型DCの資産は、受給権者の資産として保護されているため、万が一会社が倒産したり、個人が自己破産したりした場合でも、差し押さえ禁止財産として守られます。

法人の「投資有価証券」は会社の資産であるため、負債の返済に充てられる点と大きく異なります。

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