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介護・福祉施設が企業型DCを導入すべき理由|人材定着と採用競争力の強化

介護・福祉施設が企業型DCを導入すべき理由|人材定着と採用競争力の強化

介護・福祉業界では、人材不足が経営の根幹を揺るがす問題となっています。離職率の高さ、採用コストの増大、そして2026年10月の社会保険適用拡大による人件費負担の増加——こうした複合的な課題に直面する介護施設・福祉事業所にとって、企業型確定拠出年金(企業型DC)の導入は、費用対効果の高い人材戦略のひとつです。

本記事では、介護・福祉業界特有の人材課題と、企業型DC活用による解決策を具体的に解説します。

株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員  企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕

  • DCプランナー2級
  • AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
  • 企業年金管理士
  • 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
  • 情報セキュリティマネジメント試験合格
  • 知的財産管理技能検定3級
  • グーグルデジタルワークショップ修了
  • 給与計算実務能力検定2級

▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center

NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

① 介護・福祉業界の人材課題の実態

高い離職率と深刻な人材不足

厚生労働省の調査によると、介護業界の離職率は概ね14〜16%程度の水準で推移しており、全産業平均と比べて高い傾向にあります(最新の厚生労働省「介護労働実態調査」をご参照ください)。職員が離職するたびに採用費用・研修費用が発生し、慢性的な人手不足はサービスの質の低下にも直結します。介護需要が今後も増加していく中で、人材の確保と定着は業界全体の最重要課題のひとつとなっています。

賃金水準の低さが定着を妨げる

介護職員の平均賃金は、全産業平均と比べて低い水準にあります(最新の賃金構造基本統計調査)。国による処遇改善加算などの制度により改善は進んでいますが、賃金だけで他業種との差を埋めることは依然として難しい状況が続いています。給与を大幅に引き上げることが難しい中小規模の施設では、賃金以外の待遇面での工夫が求められています。

2026年10月以降の人件費負担増

2026年10月の社会保険適用拡大(従業員51人以上の事業所が対象)により、パートタイム介護職員への社会保険適用が拡大します。これにより、施設側が負担する社会保険料(事業主負担分)が増加する事業所が出てきます。こうした追加コストを吸収しながら、いかに人材を確保・定着させるかが、経営上の喫緊の課題です。

② 企業型DCが介護職員の定着率改善に効果的な理由

理由1:老後資産形成を「見える化」できる

企業型DCは、加入者がスマートフォンやPCで積立残高・運用状況をリアルタイムで確認できます。「この会社で長く働くほど、老後の資産が増える」という具体的なメリットを可視化できるため、長期就労のインセンティブとして非常に効果的です。抽象的な「福利厚生の充実」ではなく、数字で実感できる制度である点が特徴です。

理由2:60歳まで引き出せない仕組みが「長期在籍」を促進する

企業型DCの資産は、原則として60歳まで引き出すことができません(条件により65歳まで)。これは一見デメリットに見えますが、裏を返せば「この会社で積み上げた資産がある」という心理的なつながりが生まれ、転職への抑止力として働きます。会社を辞めてもDC資産は本人のものとして引き継がれますが、長期在籍によって積立額が増えていく実感が定着率の向上につながります。

理由3:選択制DCによる効率的な資産形成と税制優遇

選択制DCでは、従業員が給与の一部を掛金として拠出すると、その分の税や社会保険料の仕組み上の影響(※将来の年金給付額等への影響を含む)を理解した上で、効率的な資産形成が可能です。賃金の引き上げが難しい介護施設にとって、実質的な処遇改善策として活用できる点は大きな魅力です。

理由4:採用時の差別化ポイントになる

介護人材の採用において、求人票に「企業年金制度(企業型DC)あり」と記載できることは、他施設との明確な差別化になります。特に若い世代は老後への不安を抱えており、老後資産形成をサポートする制度の存在は就職先選びに影響します。同程度の給与水準であれば、福利厚生が充実している施設が選ばれやすくなります。

③ 社会保険の適用拡大と選択制DCの組み合わせ効果

2026年10月の社会保険適用拡大で、パートタイム介護職員の社会保険加入が拡大します。社会保険に加入すると従業員側の保険料負担も生じるため、「手取りが減る」と感じる職員も出てくることが予想されます。

ここで選択制DCの出番です。

社会保険に加入することになったパートタイム職員が、選択制DCを活用することで、税制等の優遇措置を受けながら効率的に老後資金を積み立てることができます。

具体的なイメージ(例)

項目選択制DC導入前選択制DC導入後
月額給与100,000円100,000円
DC掛金拠出−10,000円
社会保険料(従業員負担)14,500円13,000円※
所得税・住民税3,000円2,500円※
月額手取り82,500円74,500円+DC積立10,000円

※概算。個人の状況により異なります。DC積立分を加算すると実質的な資産形成額は変わらない場合があります。なお、仕組みの上、将来受け取る公的年金の額や傷病手当金などの給付額が変動する場合があります。

会社側のメリット:選択制DCは従業員が自分の給与の一部を掛金として拠出する仕組みのため、会社が新たに掛金を負担する必要はありません。さらに、制度の仕組み上、会社側の負担増を抑えながら大企業並みの退職金・年金制度を導入できるため、コスト管理と福利厚生の充実を両立したい中小規模の介護施設から特に評価されています。

④ 導入事例(匿名)

事例A:東北地方の特別養護老人ホーム(職員数約50名)

50名規模の特別養護老人ホームが、選択制DCを導入しました。導入の主な動機は「採用時の福利厚生充実アピール」でした。

導入後は、求人票に「企業年金制度あり」と明記できるようになり、求人への応募数が増加したとのことです。また既存職員の定着についても、導入後1年で離職者数が減少したと担当者から報告を受けています(具体的な数値は非公表)。会社の新たな掛金負担はなく、「コストをかけずに福利厚生を充実できた」と高く評価されています。

事例B:関西地方の障害者支援施設(職員数約30名)

30名規模の障害者支援施設が、処遇改善を目的に企業型DCを導入しました。「基本給の大幅な引き上げが難しい中、従業員が自発的に、かつ効率よく将来に備えられる環境を整えたい」という経営者の意向のもと、選択制DCを選択しました。加入説明会では、税制上の優遇措置を活用しながら自分自身の年金を作れるメリットを中心にわかりやすく説明し、常勤職員の多くが加入したと聞いています。(実際の事例に基づく匿名情報)。

⑤ FAQ(よくあるご質問)

Q1. 介護施設でも企業型DCを導入できますか?特別な手続きが必要ですか?

A. 介護施設・福祉事業所でも企業型DCは導入できます。手続きは一般企業と同様で、①規約の作成、②厚生労働大臣への届出(国民年金基金連合会経由)、③運営管理機関との契約などが必要です。(株)日本企業型確定拠出年金センターでは、手続き全般をワンストップでサポートしており、専門知識がなくても安心して導入を進めることができます。

Q2. パートタイムの介護職員も企業型DCに加入できますか?

A. パートタイム労働者でも、厚生年金の被保険者であれば企業型DCへの加入が可能です。規約の設計によっては、パートタイム職員を対象外とすることも選択できます。2026年10月の社会保険適用拡大後は、新たに厚生年金に加入するパートタイム職員が増えるため、対象範囲の設計が重要なポイントになります。

Q3. 処遇改善加算と企業型DCは一緒に活用できますか?

A. 処遇改善加算は賃金改善を目的とした公的制度であり、企業型DCとは別の仕組みです。ただし、加算で得た財源を活用して会社拠出型の企業型DCを導入することも可能です。選択制DCであれば会社の追加負担なしで導入できるため、加算の有無にかかわらず活用しやすい制度です。詳しくはお気軽にご相談ください。

Q4. 選択制DCの内容を従業員に説明しても理解してもらえるか不安です。

A. 初めて聞く従業員には難しく感じられることがあります。(株)日本企業型確定拠出年金センターでは、従業員向けの説明会資料や動画コンテンツのサポートを提供しています。わかりやすい説明で加入率の向上をお手伝いしますので、ご安心ください。

Q5. 導入にかかる費用はどれくらいですか?

A. SBIベネフィット・システムズと共同開発した「SBIぷらす年金プラン」では、導入の初期費用・月額費用は加入者数や設計内容によって異なります。無料相談(Zoom 60分)にて、貴施設の状況に合わせた概算をご提示しますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

介護・福祉業界の人材課題は、賃金だけでは解決できません。企業型DC(特に選択制DC)は、会社が新たな掛金を負担することなく、従業員の実質的な処遇改善と老後資産形成を支援できる制度です。採用時の差別化、定着率の向上、そして2026年10月の社会保険適用拡大への対応としても有効な手段です。

(株)日本企業型確定拠出年金センターは、全国1,300社以上の企業型DC導入を支援してきた専門機関です。SBIベネフィット・システムズと共同開発した「SBIぷらす年金プラン」を通じて、介護・福祉施設の人材戦略を強力にバックアップします。オンライン全国対応で、Zoom 60分の無料相談をご用意しています。まずはお気軽にご活用ください。

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