【外国人労働者向け】企業型確定拠出年金(企業型DC)は加入できる?特定技能・育成就労での帰国時の対応と企業の導入ポイント
【外国人労働者向け】企業型確定拠出年金(企業型DC)は加入できる?特定技能・育成就労での帰国時の対応と企業の導入ポイント
【この記事の要約】
- 外国人従業員も加入可能:厚生年金に加入していれば、国籍を問わず企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入できます。
- 帰国時の対応:積み立てた資産は、「脱退一時金」として受け取るか、iDeCoなどに移換することが可能です。
- 企業側の導入メリット:「特定技能」や「育成就労」など多様な外国人材が定着するための福利厚生として有効です。
本記事では、外国人労働者の企業型DC加入ルールや、帰国時の「脱退一時金」の仕組み、そして外国人材を雇用する企業が制度を導入する際のポイントについて徹底解説します。
目次
外国人も対象!企業型確定拠出年金(企業型DC)の基本
近年、グローバル化にともない、国内で働く外国人労働者は増加の一途をたどっています。それに伴い、日本人スタッフと同等の福利厚生を提供することが企業に求められています。

加入条件は「厚生年金の被保険者」であること
企業型確定拠出年金は、企業が掛金を拠出し、従業員自身が運用を行う老後資産形成のための私的年金制度です。本制度の加入条件は「厚生年金の被保険者であること」です。
つまり、フルタイム勤務などで社会保険(厚生年金)に加入していれば、国籍を問わず外国人労働者も加入対象となります。「特定技能」や新設される「育成就労」などの在留資格で働く外国人従業員であっても、この条件を満たせば日本人と同様に制度の恩恵を受けることができます。
フルタイムで働く外国人従業員は原則として加入対象ですが、短時間勤務のパートタイマーなどで社会保険(厚生年金)に加入していない場合は対象外となる可能性がある点には注意が必要です。対象者を把握するためにも、まずは自社の雇用形態と社会保険の加入状況をいま一度ご確認ください。
ポータビリティ制度により転職・退職時も安心
企業型DCには、転職や退職時に年金資産を持ち運べる「ポータビリティ制度」が備わっています。そのため、契約期間満了などで退職した場合でも、転職先の企業型DCや個人のiDeCo(個人型確定拠出年金)に資産を移換し、運用を続けることが可能です。
帰国する外国人従業員の年金資産はどうなる?3つの選択肢
特定技能や育成就労などで来日した外国人従業員が、将来的に母国へ帰国する場合、積み立てた企業型DCの資産はどう扱うべきでしょうか。主に以下の3つの選択肢があります。

1. 脱退一時金として現金で受け取る
老後を日本で過ごす予定がない外国人労働者にとって、最も現実的な選択肢が「脱退一時金」の受け取りです。これは、帰国等で日本の年金制度に継続加入できなくなった際、一定の条件を満たすことで年金資産を一時金(現金)として受け取れる特例措置です。
2. iDeCo(個人型確定拠出年金)などに移換する
脱退一時金の条件を満たさない場合や、引き続き資産運用を希望する場合は、iDeCo(個人型)や企業年金連合会の通算企業年金へ移換して管理を継続します。ただし、iDeCoに移換した後は新たな掛金拠出はできず、運用のみの管理となります。
3. 【注意】放置すると「自動移換」のペナルティも
帰国時に何の手続きもせずに放置してしまうと、資産は現金化され、国民年金基金連合会へ「自動移換」されてしまいます。この状態になると、運用や新たな拠出ができないばかりか、毎月の管理手数料だけが引かれ続け、資産が目減りしてしまうリスクがあるため注意が必要です。
帰国時に最も避けたいのが『手続きを忘れて放置してしまうこと』です。自動移換されると、新たに掛金を拠出したり運用したりできない現金のまま管理されるうえに、毎月の管理手数料だけが引かれ続け、大切な資産が目減りしてしまいます。可能であれば、手続きが一度で済む『脱退一時金』の選択をおすすめします。
帰国時に「脱退一時金」を受け取るための条件と注意点
脱退一時金制度を利用すれば現金化が可能ですが、受給には厳格な条件が設けられています。

脱退一時金の受給条件
2022年5月の法改正により一部要件が緩和されましたが、資産額に応じて以下の条件をすべて満たす必要があります。
【資産額が1.5万円以下のケース】
- 企業型DC・iDeCoの加入者および運用指図者でないこと
- 資格喪失日の翌月から起算して6ヶ月以内であること
【資産額が1.5万円を超えるケース】
- 60歳未満であり、国民年金の任意加入資格を持たないこと
- 障害給付金の受給権者でないこと
- 通算の拠出期間が5年以下、または年金資産が25万円以下であること
- 資格喪失日の翌月から起算して6ヶ月以内であること
- 企業型DCの加入者および運用指図者でないこと
手続きと受け取り時の注意点
脱退一時金の支給は日本国内の銀行口座に日本円で振り込まれるため、帰国後も半年程度は日本の口座を解約せずに残しておく必要があります。
また、脱退一時金は「一時所得」として課税対象となり、退職所得控除などの優遇が受けられない点にも注意が必要です。対象者は退職後、速やかにコールセンターなどへ書類を請求し、自身で申請手続きを行う必要があります。
脱退一時金の実務サポートでよくあるトラブルが『口座の早期解約』です。脱退一時金は日本国内の銀行口座へ日本円で支給されるため、帰国してすぐに口座を解約してしまうと受け取れなくなってしまいます。対象の従業員様には『帰国後も半年ほどは日本の口座を残しておくように』と必ずお伝えください。
外国人材を雇用する企業が企業型DCを導入・運用するポイント
特定技能や育成就労など、多様なバックグラウンドを持つ外国人材を雇用する企業が制度を導入する際は、以下のポイントを押さえることが成功の鍵となります。
1. 制度内容を多言語などで丁寧に説明する
年金制度は日本人にとっても難解な専門用語が多く含まれます。日本語を母国語としない従業員には、母国語の案内資料を用意する、通訳を交えた説明会を実施するなど、制度の仕組みを正しく・分かりやすく伝える工夫が不可欠です。
2. 多様な働き方にマッチする「選択制企業型DC」の活用
在留期間が限られている外国人従業員にとっては、長期の資産形成よりも目先の収入を重視したいケースも少なくありません。そこでおすすめなのが「選択制企業型DC」です。
選択制企業型DCとは、従業員自身が「給与としてそのまま受け取るか」「給与の一部を掛金として拠出するか」を自由に選べる制度です。
外国人従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な福利厚生として機能し、人材の定着率向上にも寄与します。
制度設計のご相談は「株式会社日本企業型確定拠出年金センター」へ
外国人従業員も対象となる企業型確定拠出年金は、従業員の資産形成を支援し、企業の魅力を高める強力なツールです。しかし、帰国時の対応や外国籍スタッフへの説明対応など、導入にあたっては専門的な知見が求められます。
株式会社日本企業型確定拠出年金センターでは、多様な人材が活躍する企業様向けに、企業型確定拠出年金(企業型DC)の制度設計から導入、運用、従業員様への説明までをワンストップでサポートしております。
- 特定技能や育成就労の従業員向けに福利厚生を拡充したい
- 退職金制度を見直したい

このような課題をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
実績豊富な専門家チームが、貴社に最適なプランをご提案いたします。
お問合せ・ご相談はこちら
お電話でのお問い合わせはこちら
TEL:050-3645-9040
※導入に関するご相談を承っております。個人の方の質問はお答えできませんのでご了承ください。







