企業型確定拠出年金は正社員のみしか加入できない?加入対象者の範囲について解説 2025.11.19 企業型確定拠出年金は正社員のみしか加入できない?加入対象者の範囲について解説 勤務先に企業型確定拠出年金(企業型DC)制度があっても、「どうせ正社員だけだろう」と加入を諦めている契約社員やパートタイマーの方も多いかもしれません。 しかし、これは誤解です。結論から言うと、企業型確定拠出年金(企業型DC)は法律で加入者を正社員に限定してはいません。 制度の設計(規約や規定)次第で、あなたの雇用形態でも加入できる可能性があります。 本記事では、企業型DCの加入資格がどのように決まるのかを明確にし、ご自身が対象者かを確認するための具体的なステップを解説します。老後資金の準備として、自分が利用できる制度を正確に把握しましょう。 目次1. 結論:企業型確定拠出年金(企業型DC)は正社員以外も加入できます2. 企業が加入対象者を限定する具体的な基準(従業員側の視点)基準1:特定の職種で加入者を絞り込む基準2:一定の勤続年数を加入条件にする基準3:年齢によって加入資格を制限する3. パート・契約社員でも企業型DCに加入できるケースケース1:加入資格が「厚生年金被保険者」と定められているケース2:加入対象を「全従業員」としている4. 従業員が加入対象者か確認する2つの方法(担当者向け)1. 就業規則や規約を確認する2. 運営管理機関に問い合わせを行う5. まとめよくある質問(FAQ)Q 企業型DCは正社員以外も加入できる?Q 加入資格はどう決まる? 1. 結論:企業型確定拠出年金(企業型DC)は正社員以外も加入できます 企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入資格は、法律ではなく、制度を導入する各企業が定める規約や規定によって決まります。 法律(確定拠出年金法)上は、厚生年金被保険者であれば、雇用形態(正社員、契約社員、パートタイマーなど)を問わず、企業型DCの加入対象者に含めることが可能です。 導入企業の多くは、独自の判断で加入者を「正社員」や「総合職」に限定しているため、「正社員向けの制度」というイメージが定着しています。しかし、これは企業の判断によるものであり、全ての企業に共通するルールではありません。 企業型DCに加入できるかどうかは、制度導入時の制度設計によって決まります。 2. 企業が加入対象者を限定する具体的な基準(従業員側の視点) 企業が加入対象者を限定する場合、どのような基準が用いられることが多いのでしょうか。 ご自身の状況を照らし合わせることで、加入資格の有無を推測する手がかりになります。 基準1:特定の職種で加入者を絞り込む 例: 「総合職のみを対象とし、一般職は対象外とする」「特定の専門職に限定する」 理由: 企業が企業型DCを退職金制度の一環と位置づけ、長期的なキャリア形成や企業への貢献を期待する職種の従業員に手厚い福利厚生を提供したいという意図がある場合に採用されます。 基準2:一定の勤続年数を加入条件にする 例: 「勤続3年以上の従業員を対象とする」 理由: 従業員の定着を促し、長期的に会社に貢献する人材を優遇する目的があります。ただし、加入対象とならない期間(待機期間)を設けることは、法律上『合理的な理由』が必要とされています。単に加入者を減らす目的で長期間の制限を設けることは認められない傾向にあります。 基準3:年齢によって加入資格を制限する 例: 「60歳未満の者を対象とする」 法改正後の上限: 2022年5月の法改正により、企業型DCの加入可能年齢は原則70歳未満に引き上げられました。しかし、これは法律上の上限であり、企業の規約で60歳未満などと独自に制限を設けている場合もあります。 3. パート・契約社員でも企業型DCに加入できるケース パートタイマーや契約社員といった非正規雇用の従業員でも企業型DCに加入できるのは、主に以下のケースです。 ケース1:加入資格が「厚生年金被保険者」と定められている 企業の規約で加入資格が「厚生年金被保険者であること」と雇用形態を限定していない場合、社会保険の加入要件を満たしているパート・契約社員は、正社員と同様に加入対象者となります。 ケース2:加入対象を「全従業員」としている 従業員全員の福利厚生を重視する企業では、雇用形態を問わず、厚生年金被保険者であれば加入対象とする規約を定めていることがあります。 4. 従業員が加入対象者か確認する2つの方法(担当者向け) 推測で判断するのではなく、自社の規約や規定を確認し、加入資格の有無を明確にしましょう。 1. 就業規則や規約を確認する 企業型確定拠出年金の加入対象者に関する規定は、基本的に確定拠出年金の規約や就業規則、退職金規程などによって定められています。 これらの書類は、社内のイントラネットや共有フォルダ、または書面で保管されていることが一般的です。「加入者資格」や「適用範囲」といった項目を探し、従業員の雇用形態が記載されているかを確認してください。 2. 運営管理機関に問い合わせを行う 書類が見つからない場合や、規約などを読んでも不明な点がある場合は、直接運営管理機関に問い合わせるのが最も確実で早い方法です(基本的に、導入に携わった運営管理機関に連絡する必要があります)。 「企業型確定拠出年金の加入資格について、対象者の範囲を確認したい」と問い合わせをすることで解決できます。 5. まとめ 企業型確定拠出年金(企業型DC)は、「正社員のみ」の制度ではありません。 加入資格は各企業の規約によって決まるため、制度導入時の制度設計で契約社員やパートタイマーといった非正規雇用の従業員でも加入させることができます。 日本企業型確定拠出年金センターでは、企業担当者のみなさまに、導入に関する個別相談を無料で行っています。加入対象者の設定についても詳しくお伝えできますので、ぜひ一度お問合せください。 よくある質問(FAQ) Q 企業型DCは正社員以外も加入できる? A はい、可能です。 法律上、加入者の範囲は限定されていません。 Q 加入資格はどう決まる? A 企業型確定拠出年金導入時の制度設計で決定します。 お問合せ・ご相談はこちら お気軽にお問合せください 営業時間:9:00〜17:00休業日:土曜・日曜・祝日 お電話でのお問い合わせはこちらTEL:050-3645-9040※導入に関するご相談を承っております。個人の方の質問はお答えできませんのでご了承ください。 企業年金はいくらもらえる?企業型DCについても解説し...