「国民年金基金は入ってはいけない」と言われる理由は?企業型DCとの違いも解説 2026.01.06 「国民年金基金は入ってはいけない」と言われる理由は?企業型DCとの違いも解説 「老後の備えとして国民年金基金を検討しているが、後悔したくない」「一度入るとやめられないリスクが不安」と悩んでいませんか。 国民年金基金は「終身年金」という安心感がある一方で、物価上昇(インフレ)が続く現代の経済状況下では、無視できない「資産目減りリスク」が存在します。 本記事では、国民年金基金に入ってはいけないと言われる理由と、より柔軟な資産形成が可能な「企業型DC(選択制DC)」との違いを解説します。 目次1. 「国民年金基金は入ってはいけない」と言われる3つのリスク1. 一度加入すると、原則として任意脱退は認められない2. インフレに弱く、受取額の「実質価値」が目減りする3. 運用先を選べず、市場成長の恩恵を享受できない2. 国民年金基金のメリット掛金の全額が所得控除の対象生涯受け取れる「終身年金」将来の受取額が確定3. 柔軟な資産形成なら「企業型DC(選択制DC)」が注目される理由インフレに強い!自分で運用商品を選んで「資産を育てる」ライフステージに合わせて「掛金額」を柔軟に変更できる転職・法人成り時も資産を持ち運べる「ポータビリティ」4. 【比較】国民年金基金 vs 企業型DC(選択制)国民年金基金が向いている人企業型DC(選択制)が向いている人5. まとめよくある質問(FAQ)Q 国民年金基金は、本当に途中でやめることはできないのですか?Q 「インフレで目減りする」とはどういう意味ですか?Q 会社を法人化(法人成り)して企業型DCを導入した場合、iDeCoで積み立てた資産はどうなりますか? 1. 「国民年金基金は入ってはいけない」と言われる3つのリスク 「入ってはいけない」という噂の背景には、制度特有の「不自由さ」と現代の経済環境とのミスマッチがあります。 1. 一度加入すると、原則として任意脱退は認められない 国民年金基金の懸念点は、自己都合での中途脱退が認められない点です。 加入資格(第1号被保険者であること等)を喪失しない限り、家計が苦しくなったり、他の資産運用に切り替えたくなっても、途中でやめることはできません。 ただし、掛金の支払いを一時停止(中断)することは可能です。 2. インフレに弱く、受取額の「実質価値」が目減りする 国民年金基金は、将来受け取る額が固定されている「確定給付型」です。 デフレ期には有利でしたが、物価が上昇し続ける現在の経済下では、「額面は同じでも、将来買えるものが減っている」という事態を招きます。 長期の資産形成において、インフレ対策(物価上昇に合わせた資産成長)が組み込まれていない点は弱点といえます。 3. 運用先を選べず、市場成長の恩恵を享受できない 運用は基金側に一任されており、加入者が商品を選ぶことはできません。 世界経済の成長に合わせたインデックス投資などで積極的に資産を増やしたいと考えても、基金の仕組み上、固定された予定利率以上のリターンを期待することはできません。 2. 国民年金基金のメリット もちろん、デメリットばかりではありません。制度の公平性を期すために、メリットも確認しておきましょう。 掛金の全額が所得控除の対象 支払った掛金は全額が「社会保険料控除」となり、所得税や住民税の負担を軽減できます。 生涯受け取れる「終身年金」 プランの中に、亡くなるまで受け取れる終身年金があります。 長生きリスクに対して、一定額が保証される安心感は公的年金の上乗せとして機能します。 将来の受取額が確定 運用リスクを個人が負うことはありません。 将来の設計が立てやすいという「確実性」を最重視する方には適しています。 3. 柔軟な資産形成なら「企業型DC(選択制DC)」が注目される理由 自由度の低さが課題の国民年金基金に対し、多くの経営者やビジネスパーソンに選ばれているのが「企業型DC(選択制DC)」です。 インフレに強い!自分で運用商品を選んで「資産を育てる」 企業型DCは、自分で運用先を決める「確定拠出型」です。 国内外の株式や債券などの投資信託を選択できるため、世界経済の成長やインフレに合わせて資産価値を成長させることが可能です。 ライフステージに合わせて「掛金額」を柔軟に変更できる 企業型DCでは、拠出額の変更が可能です。 「今は手元資金を残したい」「利益が出たので拠出を増やしたい」といった状況に合わせた調整が可能です。 転職・法人成り時も資産を持ち運べる「ポータビリティ」 キャリアの変化が激しい現代において、資産の持ち運びができる点は大きなメリットです。 自営業から法人成りをしたり、別の会社へ転職したりした場合でも、積み立てた資産を次のDC制度やiDeCoへ移換し、運用を継続できます。 「選択制DC」とは? 受け取る給与の一部を「今の給与として受け取るか」「将来のためにDCへ拠出するか」を従業員(または役員)が選べる制度です。 加入は任意であり、個々のライフプランを尊重しながら、所得税・住民税の節税メリットを享受しつつ、老後の資産形成を効率的に行えます。 ※企業型DCは加入対象が厚生年金第2号被保険者です。「法人成り(法人化)」を検討している自営業者・フリーランスや、少人数の役員のみの会社経営者の場合に導入を検討できます。 4. 【比較】国民年金基金 vs 企業型DC(選択制) 2026年1月現在の制度に基づいた比較表です。 比較項目 国民年金基金 企業型DC(選択制) 対象者 自営業・フリーランス(1号) 厚生年金被保険者(2号) 年金の種類 確定給付型(受取額が固定) 確定拠出型(運用次第で変動) 運用の主体 基金が一括運用 加入者自身が運用 掛金の変更 制限あり 規程の範囲内で柔軟に可能 インフレ耐性 低い(額面固定のため) 高い(株式・債券等で対策可能) 税制メリット 掛金は全額所得控除 掛金は非課税 受取時は退職所得控除・公的年金等控除 国民年金基金が向いている人 ・自分で運用を考えるのが心理的負担になる方。 ・投資による元本割れのリスクを1円も取りたくない方。 ・インフレリスクを考慮しても、「受取額の確定」を最優先したい方。 ・将来法人化を検討していない方。 企業型DC(選択制)が向いている人 ・将来の物価上昇に備え、資産の購買力を守り、成長させたい方。 ・法人化(法人成り)を検討している、あるいは既に会社を経営している方。 ・家計や経営状況に合わせて、拠出額を柔軟にコントロールしたい方。 ・節税に興味がある方。 5. まとめ 「国民年金基金は入ってはいけない」という言葉の裏には、将来の受取額が確定しているためインフレが進んだ場合、物価が上がりお金の価値が下がることで、将来受け取れる年金の価値が現在よりも減ってしまう可能性が示されています。 これからの時代において大切なのは、「状況に合わせて柔軟に形を変えられる仕組み」です。企業型DC(選択制DC)であれば、運用商品の選択、拠出額の変更、そしてキャリアの移動にも柔軟に対応できます。 目先の安心感だけでなく、30年、40年先を見据えた「資産の成長性」と「自由度」を軸に、ぜひ最適な制度を検討してください。 経営者・企業担当者の方へ 日本企業型確定拠出年金センターでは、経営者・企業担当者のみなさまに、企業型DC導入に関する個別相談を無料で行っています。制度導入のメリット・デメリットもお伝えできますので、ぜひ一度お問合せください。 よくある質問(FAQ) Q 国民年金基金は、本当に途中でやめることはできないのですか? A 原則として、任意脱退は認められません。 国民年金基金は、国民年金の第1号被保険者である限り、個人の都合(「支払いが苦しい」「他の投資に回したい」など)で脱退することは認められていません。 途中でやめられるのは、会社員になって厚生年金に加入した場合や、海外へ移住した場合などの「加入資格の喪失」時に限られます。 Q 「インフレで目減りする」とはどういう意味ですか? A 将来受け取る「お金の価値」が、物価上昇によって下がってしまうことです。 国民年金基金は、加入時に将来の受取額が固定される「確定給付型」です。 2026年現在のように物価が上がり続ける局面では、30年後に受け取る10万円で買えるものが、今の10万円分よりも少なくなってしまうリスク(購買力の低下)を指します。 Q 会社を法人化(法人成り)して企業型DCを導入した場合、iDeCoで積み立てた資産はどうなりますか? A 企業型DCであれば、そのまま引き継ぎや移換がスムーズです。 国民年金基金は自営業者(第1号被保険者)向けの制度であるため、法人化して社会保険に加入すると資格を喪失します。 一方、企業型DCは「ポータビリティ(持ち運び)」に優れており、法人成りの際に自身の会社に制度を導入した際、iDeCoで積み立てた資産は移換できます。 お問合せ・ご相談はこちら お気軽にお問合せください 営業時間:9:00〜17:00休業日:土曜・日曜・祝日 お電話でのお問い合わせはこちらTEL:050-3645-9040※導入に関するご相談を承っております。個人の方の質問はお答えできませんのでご了承ください。 小規模企業共済等掛金控除とは?対象の種類と企業型DC...