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企業型確定拠出年金の平均利回りはどのくらい? 10%も出る!?計算方法も解説します

企業型確定拠出年金の平均利回りはどのくらい? 10%も出る!?計算方法も解説します

企業型確定拠出年金(企業型DC)は、加入者が自分の責任で資産運用を行いながら老後資金を用意する年金制度です。加入者が各自で運用商品を選択するため、利回りには個人差があります。

現在企業型確定拠出年金に加入している方やこれから加入する予定がある方は、平均利回りはどの程度なのか気になっていないでしょうか。

今回は、企業型確定拠出年金の平均利回りや制度のメリットを最大限活かすコツを解説します。

1. 企業型確定拠出年金の基本情報

企業型確定拠出年金とは、企業が行う福利厚生制度の一つです。役員や労働者が老後生活に備えるための制度で、効率よく資産形成を行えるメリットがあります。

企業が契約している運営管理機関が用意している金融商品の中から、加入者が任意で選択します。元本が変動しない「元本確保型商品」と、元本が変動する「元本変動型商品」に分かれており、加入者が自分のリスク許容度にあわせて選択する点が特徴です。 企業型確定拠出年金には税制優遇措置が設けられており、運用益が非課税になります。通常の投資では、売却益や配当金などの運用益を受け取る際には20.315%の税金がかかりますが、企業型確定拠出年金ではかかりません。 税制優遇が設けられているため、効率よく老後資産を形成できるでしょう。

2. 確定拠出年金と運用利回りの関係

将来受け取れる金額は、どの程度の利回りで運用できるかによって異なります。

運用利回りとは、投資元本に対する収益の割合を示す指標です。

株式に投資する投資信託であれば高い利回りを期待できます。しかし、リスクも大きくなるため、市況が不調だと元本割れを起こしてしまう可能性も加味する必要があります。

一方で、債券型の投資信託や定期預金は安全性が高く、安定した収益をもたらします。しかし、利回りは低くなる傾向があります。

1. 想定利回りとは?

想定利回りとは、確定拠出年金において必要な運用利回りを示す指標です。
この利回りは、加入者が退職後に受け取る給付額が、従前の退職給付水準に達するために求められる数値であり、企業が設定します。

想定利回りを下回ると、受け取れる金額が減少する恐れがあるため、自身の運用計画を立てる際の基準となります。

2. 想定利回りを目安として運用商品を検討する

想定利回りを目安にすることで、適切な運用商品を選択し、老後資産の形成を効率的に行うことができます。

どの運用商品が自身の目標に対して最適かを考える際に、想定利回りを基準にすることが大切です。

3. 企業型確定拠出年金とiDeCoとで、結果は異なる?

企業型確定拠出年金とiDeCo(個人型確定拠出年金)は、どちらも老後資金を形成するための制度ですが、その結果や特徴には多少違いがあります。同じ商品を選択していたとしても、iDeCoに加入する場合、最低でも毎月171円(2025年現在)の口座管理手数料が発生します。これは、国民年金基金連合会と信託銀行等に支払う金額です。
そのため、企業型確定拠出年金に希望する銘柄がある場合は、優先的にそちらを利用するべきです。
自分に最適な選択肢を考えるためには、これらの違いを理解しておくことが重要です。

コンサルタント石黒
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資産運用の世界では「ハイリスク・ハイリターン」「ローリスク・ローリターン」が鉄則です。求めるリターンと自分が許容できるリスクのバランスを取りながら、最適な商品選択をする必要があります。

3. 企業型確定拠出年金の平均利回り

企業年金連合会の「確定拠出年金実態調査結果」によると、2023年度における企業型確定拠出年金の平均運用利回りは13.3%でした。なお、制度導入からの平均運用利回りは6.9%となっています。

単年度の平均利回りは、当該年度の市況の影響を受けやすいため、制度導入からの平均運用利回りのほうが参考になりそうです。つまり、「6.9%程度」が平均利回りといえるでしょう。

なお、資産残高ベースでの投資信託(元本変動型商品)の割合は63.1%で、掛金ベースでの投資信託に対する配分割合は63.8%でした。

4. 資産ごとの平均利回り

企業型確定拠出年金では、加入者が自分の責任で運用商品を選択する必要があります。どの資産にどの程度の利回りが期待できるのか、気になるという方もいるのではないでしょうか。

投資対象ごとの平均利回りを知る際に役立つのが、年金積立金管理運用独立行政法人の運用方針です。

私たちの納めた年金保険料の一部は、年金積立金管理運用独立行政法人で運用されています。年金積立金管理運用独立行政法人は、金融商品の過去30年投影ケースでの期待リターン(名目期待リターン)を以下のように設定しています。

  • 外国株式:5.4%
  • 国内株式:4.8%
  • 外国債券:2.2%
  • 国内債券:0.5%

あくまでも期待リターンであり、毎年この通りに運用できるわけではありません。しかし、おおまかな利回りを知るうえでは参考になるはずです。

たとえば、日本国内の株式に投資する投資信託を購入した場合は長期的には4.8%程度の利回りが期待できる、というイメージを持つとよいでしょう。

1. 利回り10%の30年後の資産額を計算

運用期間中の平均利回りごとに、どの程度のリターンが期待できるのかシミュレーションをします。
毎月の掛金拠出額を2万円として、10%の利回りで運用できたときのリターンを見てみましょう。
運用利回りの計算方法は、金融庁のつみたてシミュレーターから試算することが可能です。
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/tsumitate-simulator/

運用期間:10年
利回り10%:400万円(元本240万円・運用益160万円)

運用期間:20年
利回り10%:1,437万円(元本480万円・運用益957万円)

運用期間:30年
利回り10%:4,126万円(元本720万円・運用益3,406万円)

運用期間が長いほど、複利効果が働き、将来得られる利益が大きくなっていることがわかります。
また、自身のリスク許容度が高いのであれば利回り10%以上を期待できる可能性もあります。(騰落率が大きくなるため、大きくマイナスに傾くこともあります。)

5. 企業型確定拠出年金のメリットを活かすコツ

企業型確定拠出年金の大きなメリットとして、非課税で運用できる点が挙げられます。

元本確保型商品の定期預金で1,000円の利益を得られても、元本変動型商品で10万円の利益を得られても、非課税で運用できる点は同じです。しかし、非課税の恩恵が大きくなるのは、より大きな利益が出た場合です。

そのため、もしご自身の資産全体の中でリスクをとった運用(株式投資など)を行う予定がある場合は、課税口座ではなく、非課税メリットのある企業型確定拠出年金を優先するのが合理的といえます。

特に、若い世代であれば長期の運用期間を確保できます。一時的に損失が出ても回復を待てる強みがあるため、一般的にリスク許容度は高いといわれています。

また、運用利回りを向上させるためにはコストの最小化にも意識を向ける必要があります。投資信託を保有している期間中は「信託報酬」という手数料がかかり、毎日差し引かれています。

手数料は運用成果を押し下げる要因となるため、できるだけ信託報酬が低い投資信託を選ぶのが合理的です。運用期間が長期になるほど、手数料は運用成績に大きな影響を及ぼすため、利回りだけでなくコスト面にも意識を向けましょう。

6. 平均利回り1%、3%、5%の30年後の資産額を計算

運用期間中の平均利回りごとに、どの程度のリターンが期待できるのかシミュレーションをします。毎月の掛金拠出額を2万円として、1%・3%・5%の利回りで運用できたときのリターンを見てみましょう。

運用期間 1% 3% 5%
10年 252万円(元本240万円・運用益12万円) 279万円(元本240万円・運用益39万円) 309万円(元本240万円・運用益69万円)
20年 531万円(元本480万円・運用益51万円) 654万円(元本480万円・運用益174万円) 812万円(元本480万円・運用益332万円)
30年 839万円(元本720万円・運用益119万円) 1,157万円(元本720万円・運用益437万円) 1,631万円(元本720万円・運用益911万円)

運用期間が長いほど、平均利回りが高いほど将来得られる利益が大きくなっていることがわかります。

コンサルタント石黒
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企業型確定拠出年金では、これらの運用益に税金がかかりません。また、受け取るときにも退職所得控除や公的年金等控除が適用され、さまざまな税制優遇を受けられます。

7. 運用目標の考え方

企業型確定拠出年金で資産形成をする際には、運用利回りの目標設定をしておきましょう。市場の動向やリスク許容度、個々のライフプランなどを踏まえて、最適な目標を決定することが重要です。

例えば「毎月2万円を拠出し、20年後に1,000万円の資産を築きたい」と考えている場合、6.7%の平均利回りが求められます。

運用目標だけでなく、リスク許容度を加味することも大切です。リスク許容度を測る際には、個人の年齢や収入状況、投資経験などを鑑みて、総合的に判断することが求められます。

運用目標を達成するために高い利回りが必要で、なおかつ高いリスクを許容できる場合は、リターンが高い株式を中心としたポートフォリオを構築するとよいでしょう。

8. まとめ

企業型確定拠出年金は、加入者が自らの責任で運用を行い、老後の生活資金を計画的に準備するための制度として注目されています。

おおまかな目安として、企業型確定拠出年金の平均利回りは6.9%程度です。年齢や今後のライフステージによって、必要な利回りは異なるため、加入者全員が大きな利回りを目指す必要はありません。

日本企業型確定拠出年金センターでは、これまで延べ5,000社以上に対して企業型確定拠出年金の導入をサポートしてきました。制度を導入している事業主に求められている投資教育も代行しています。

加入者自身に投資経験がないと、さまざまな悩みを抱えてしまうこともあるでしょう。説明会を通じて制度の概要や投資の考え方などをわかりやすくお伝えするので、安心してお任せください。

弊社では全国トップクラスの導入実績を誇っているため、導入後のサポート体制が充実している強みがあります。ぜひお気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q 企業型確定拠出年金の平均利回りはどのくらいですか?

A 制度導入からの平均利回りは約6.9%です※。

ただし、この数字はあくまで全体の平均であり、個人の運用商品の選び方や市場の状況によって実際の利回りは異なります。
※2023(令和5)年度企業型確定拠出年金実態調査結果から抜粋

Q 元本確保型商品(定期預金など)だけで運用しても良いですか?

A 問題はありません。

ただし、安全性は高いですが利回りが低いため、資産があまり増えない可能性があります。
ご自身のリスク許容度に合ったポートフォリオを見つけることが推奨されます。

Q 運用商品を選ぶ際に気をつけるコストはありますか?

A 「信託報酬」という手数料に注意が必要です。

これは投資信託を持っている間ずっとかかる費用で、運用成績を押し下げる要因になります。
一般的に、できるだけ信託報酬が低い商品を選ぶことが推奨されています。

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