全国1,300社以上の実績!企業型確定拠出年金の導入支援

  1. HOME
  2. コラム
  3. キャリアアップ助成金|企業型DCは3%昇給要件の対象外に?2026年度の変更点
Column

コラム

キャリアアップ助成金|企業型DCは3%昇給要件の対象外に?2026年度の変更点

キャリアアップ助成金|企業型DCは3%昇給要件の対象外に?2026年度の変更点

キャリアアップ助成金の正社員化コースにおいて、2026年度から重要な変更が予定されています。 特に、昇給要件の算定基準が見直され、これまで賃金の一部として認められるケースがあった企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛金が、その計算対象から外れる方針です。 この変更は、助成金の活用を検討している多くの企業にとって影響が大きく、今後の賃金制度設計において事前の対策が求められます。

目次

【2026年10月〜】キャリアアップ助成金の3%昇給要件で企業型DCが対象外に

2026年10月1日以降に正社員へ転換する場合、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の3%昇給要件の計算方法が変更されます。 この変更により、選択制の企業型確定拠出年金(企業型DC)における事業主掛金(生涯設計手当など)は、昇給額の算定基礎となる賃金に含まれなくなります。 今後は、基本給やその他の手当といった、労働基準法上の賃金に該当する部分のみで3%以上の増額を達成しなくてはなりません。

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の目的と概要

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、有期雇用労働者等を正規雇用労働者(多様な正社員を含む)へ転換、または直接雇用する事業主に対して助成を行う制度です。
この制度は、有期や無期といった雇用形態にかかわらない公正な待遇を確保し、労働者の意欲や能力を向上させることを目的としています。
企業は、優秀な人材の確保と定着を図るとともに、生産性の向上を目指すことができ、安定した無期雇用への転換を促進する上で重要な役割を果たしています。

今回のルール変更が適用される具体的な開始時期

企業型確定拠出年金の掛金を昇給要件の計算から除外するという新しいルールは、令和8年(2026年)10月1日以降に行われる正社員への転換から適用が開始されます。
したがって、2026年9月30日までに実施された正社員転換については、これまでの旧ルールに基づいた申請が可能です。
申請を計画している企業は、この日付を基準として、賃金体系の見直しや転換スケジュールを検討する必要があります。

なぜ企業型DC(選択制)の掛金が賃金増額と見なされなくなるのか

選択制の企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛金が賃金増額の計算から除外される主な理由は、その掛金が労働基準法第11条で定められた「賃金」に該当しないと整理されたためです。
選択制DCは、従業員が自身の給与の一部を掛金として拠出するか、給与として受け取るかを選択する仕組みです。
このため、事業主が一方的に支給する労働の対償とは見なされず、企業の純粋な負担増による賃金アップとは性質が異なると判断されました。

新ルール適用前に確認すべき企業型DCと3%昇給要件の関係

2026年10月の新ルール適用を前に、企業は自社の賃金制度がキャリアアップ助成金の支給要件を満たしているか、再度の確認が不可欠です。
これまで選択制企業型DCの掛金を含めて昇給要件をクリアしていた場合、新ルール下では要件未達となる可能性があります。
助成金の申請を円滑に進めるためには、現行制度と新ルールの違いを正確に理解し、早期に支給要件確認を行うことが重要です。

これまでの制度で企業型DCが昇給要件として認められていたケース

現行制度(2026年9月30日までの転換)においては、選択制の企業型確定拠出年金を導入している企業で、掛金が昇給要件の一部として認められるかどうかは個別のケースによって判断が分かれています。
一般的には、「生涯設計手当」などの名目で基本給とは別に手当を支給し、その手当を原資として従業員が任意で掛金を拠出する仕組みが採用されることがあります。

この場合、手当の全額が賃金総額に含まれるかどうかは、その手当の性質や規約によって異なります。掛金部分は所得税や社会保険料の算定基礎に含まれないとされていますが、賃金総額に含めて転換前後の賃金を比較し、3%以上の増額要件を満たすことが可能であったかどうかについては、具体的な状況に基づいた確認が必要です。

【注意点】令和8年10月1日以降の転換は新ルールが適用される

改めて注意すべき点として、令和8年(2026年)10月1日を境に、昇給要件の計算ルールが明確に分かれます。
この日以降に正社員へ転換した場合は、例外なく新しいルールが適用され、選択制企業型DCの掛金などを除いた賃金で3%以上の増額を証明しなくてはなりません。

申請のタイミングを計画している企業は、この適用開始日を正確に把握し、誤った計算で申請して不支給となる事態を避ける必要があります。

自社の賃金体系が新要件を満たしているか確認する方法

自社の賃金体系が新要件を満たすかを確認するには、まず賃金台帳を用意し、正社員転換前後の6ヶ月分の賃金を比較します。
その際、選択制DCの原資となっている生涯設計手当などの掛金相当額を総支給額から除外して計算してください。
その上で、基本給や他の各種手当といった純粋な賃金部分だけで3%以上の増額が達成できているかを確認します。

厚生労働省が提供する「キャリアアップ助成金賃金上昇要件確認ツール」を利用すると、より正確な計算が可能です。

正社員化コースにおける「退職金制度」としての企業型DCの適格性

キャリアアップ助成金の正社員化コースでは、正社員の定義として賞与または退職金の制度が設けられていることが要件の一つです。
企業型確定拠出年金は、就業規則や退職金規定に制度として明確に定められていれば、この「退職金制度」として認められます。
ただし、制度の内容が適切に規定され、全正社員が対象となっているなど、いくつかの条件を満たしている必要があり、事前の整備が不可欠です。

企業型DCの導入が退職金制度の設置と認められる条件

企業型確定拠出年金(企業型DC)がキャリアアップ助成金における退職金制度として認められるには、いくつかの条件を満たす必要があります。
まず、その制度が就業規則や独立した退職金規程に明確に定められていることが必須です。
また、原則として事業主が掛金を拠出する仕組みであり、正社員全員が加入対象者となっている必要があります。

これらの条件を整備し、客観的に退職金制度として運用されている実態を示すことが求められます。

就業規則に退職金制度として企業型DCを明記する際のポイント

就業規則に企業型DCを退職金制度として明記する際は、具体的な運用方法を記載することがポイントです。
規定すべき項目として、「加入対象者(例:正社員)」「事業主掛金の額や算定方法」「加入者資格の取得・喪失に関する事項」「中途退職時の取り扱い」などが挙げられます。
規定例としては、「正社員として採用された者を被保険者とし、会社は毎月〇円の掛金を拠出する」といった条文を設けることが考えられます。これにより、制度の存在と内容が明確になります。

選択制DCを退職金制度とする場合の注意すべき事項

選択制DCを退職金制度として位置づける場合、特に注意が必要です。
選択制は従業員が拠出を選択する仕組みであるため、従業員が掛金を拠出しない「ゼロ円」を選択した場合でも、退職金制度が適用されていると見なされるかという論点があります。
これを明確にするため、規程には従業員が拠出しない選択肢があることを明記しつつ、制度自体は全正社員に適用されることを示す必要があります。

不安な場合は、申請前に管轄の労働局へ確認することが推奨されます。

企業型DCの導入で「賞与・退職金制度導入コース」を活用する手順

キャリアアップ助成金には、有期雇用労働者等を対象に賞与や退職金制度を新たに導入し、実際に支給した場合に助成される「賞与・退職金制度導入コース」があります。
企業型DCをこの退職金制度として導入することで、本コースの活用が可能です。
正社員化コースとの併給も可能ですが、その場合は併給調整が行われる点に留意が必要です。

活用するには、計画書の提出から制度導入、6ヶ月の運用と支給まで、手順を踏んで進めることになります。

助成対象となる賞与・退職金制度の具体的な要件

「賞与・退職金制度導入コース」の対象となるには、制度が特定の要件を満たす必要があります。
退職金制度の場合、事業所内のすべての有期雇用労働者等を対象として新たに導入する制度でなければなりません。

また、月額5,000円以上など、一定額以上の掛金を事業主が負担することが求められます。
さらに、導入した制度を6ヶ月以上運用し、実際に退職金を支払った実績(中退共等の場合は6ヶ月分の掛金納付)が必要です。

対象コースで求められる掛金の積立額や運用期間

「賞与・退職金制度導入コース」で退職金制度を導入する場合、以下の要件を満たす必要があります。
事業主が負担する退職金の掛金は、対象労働者1人あたり月額3,000円以上を6か月分、または6か月相当額として18,000円以上の積立が必要です。
また、制度を導入してから6ヶ月以上の継続運用と掛金納付の実績が求められます。

全従業員を対象とする制度設計の必要性

「賞与・退職金制度導入コース」を活用する上で最も重要な点の一つが、制度の対象範囲です。
このコースで助成対象となる賞与または退職金制度は、事業所に雇用される全ての有期雇用労働者等を対象としなければなりません。
特定の職種や部署の従業員のみを対象とする制度では要件を満たしません。

したがって、制度を設計する段階から、雇用形態に関わらず公平に適用される包括的な仕組みを構築することが求められます。

よくある質問

Q1. ルール変更によって過去に受給した助成金が返還になる可能性はありますか?

A ありません。
今回のルール変更は、2026年10月1日以降の正社員転換に適用されるものです。
それ以前に旧ルールに基づき適正に審査・受給した助成金に対して、遡って返還を求められることはありません。

Q2. 中小企業退職金共済(中退共)の掛金も3%昇給の計算から除外されますか?

A はい、除外されます。
中退共の掛金は福利厚生費とみなされ、労働基準法上の賃金には該当しません。
そのため、選択制の企業型DC掛金と同様に、3%昇給要件を計算する際の賃金総額には含めることができません。

Q3. これから正社員化コースを申請する場合、いつまでに転換すれば旧ルールが適用されますか?

A 令和8年(2026年)9月30日までです。
この日までに有期雇用労働者等から正社員への転換を実施した場合、現行の旧ルールに基づいて賃金増額要件が審査されます。 転換日が10月1日以降になると新ルールが適用されます。

制度設計のご相談は「株式会社日本企業型確定拠出年金センター」へ

キャリアアップ助成金の正社員化コースにおいて、2026年10月1日以降の転換から、選択制の企業型確定拠出年金掛金が3%昇給要件の計算対象外となります。
これは、当該掛金が労働基準法上の賃金に該当しないと整理されたためです。
助成金の活用を続ける企業は、基本給や他の手当を引き上げるなど、賃金体系の見直しが必要です。

それに伴い、就業規則や賃金規程の改定と従業員への周知も求められるため、計画的な準備が不可欠です。
株式会社日本企業型確定拠出年金センターは社会保険労務士法人とうかいのグループ企業であるため、就業規則など専門知識が必要なところのフォローも可能です。
お気軽にご相談ください。




お問合せ・ご相談はこちら

お気軽にお問合せください

営業時間:9:00〜17:00
休業日:土曜・日曜・祝日

お電話でのお問い合わせはこちら
TEL:050-3645-9040
※導入に関するご相談を承っております。個人の方の質問はお答えできませんのでご了承ください。

関連記事

YouTube『DCチャンネル』更新中!

セミナー情報

セミナー情報をすべて見る

企業型確定拠出年金の
お役立ち資料

お役立ち資料をすべて見る
個別相談無料
全国対応可能
お問い合わせ・ご相談
企業型確定拠出年金の導入に関することならなんでもお気軽にご相談ください。
全国対応 オンライン無料個別相談
申し込みはこちら
無料相談予約
(24時間受付)
SBIぷらす年金
資料ダウンロード