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企業型DCを途中でやめることはできる?解約・掛金停止の条件を解説

「急にお金が必要になったので企業型DCを解約したい」「会社を辞めたらDCはどうなるのか」——このような疑問を持つ方は多いと思います。企業型DC(確定拠出年金)は、老後資産の形成を目的とした制度であるため、原則として60歳になるまで資産を引き出すことはできません。ただし、掛金の停止や一定条件下での受け取りなど、知っておくべき例外もあります。本記事でわかりやすく解説します。

株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員  企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕

  • DCプランナー2級
  • AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
  • 企業年金管理士
  • 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
  • 情報セキュリティマネジメント試験合格
  • 知的財産管理技能検定3級
  • グーグルデジタルワークショップ修了
  • 給与計算実務能力検定2級

▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center

NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

① 原則として途中解約できない

企業型DCは「確定拠出年金法」に基づく制度であり、原則として受給開始年齢(60歳〜75歳)になるまで資産を引き出すことはできません。これはiDeCo(個人型確定拠出年金)も同様です。

この「引き出し不可」という制約は、裏を返せば大きなメリットでもあります。

  • 積み立てた資産が消えることなく老後まで保全される
  • 日々の生活費に使い込んでしまうリスクがない
  • 長期運用による複利効果を最大限に活かせる

老後資産を守るための「鍵のかかった貯金箱」と理解しておくとよいでしょう。

② 掛金の停止・変更はできる?

「解約はできないが、掛金の拠出を一時的に止めたい」という場合はどうでしょうか。

事業主掛金の停止

企業型DCの掛金は事業主が拠出するものですが、会社の規約変更によって掛金額を減額したり、拠出を一時停止したりすることは可能です。ただし、これは会社側の手続きであり、労使合意と規約変更の届け出が必要になります。

選択制DCにおける拠出停止

選択制DCを採用している会社の場合、従業員は毎月の拠出額を変更したり、掛金拠出をゼロにする(給与として受け取る形に戻す)ことができます。変更の頻度や手続き方法は会社の規約によって異なります。

加入者掛金(マッチング拠出)の停止

会社の事業主掛金に加えて従業員が自己負担で掛金を拠出できる「マッチング拠出」を導入している場合、従業員側の掛金はいつでも増減・停止することができます。

ポイント:掛金の停止・変更はできますが、すでに積み立てた資産を引き出すことはできません。掛金をゼロにしても、これまでの積立資産は60歳まで口座内で運用され続けます。

③ 脱退一時金が受け取れる例外条件5つ

例外的に、以下の条件をすべて満たす場合は「脱退一時金」として資産を受け取ることができます(確定拠出年金法施行令第22条)。

  1. 企業型DCの資産額が1.5万円以下であること
  2. 企業型DCの加入者でなくなった日から2年以内であること
  3. 企業型DCの加入者期間が3年以下、または資産額が25万円以下であること
  4. 国民年金の保険料を免除されている状態にあること(障害者・低所得等)
  5. 60歳未満であること

これらの条件はすべて満たす必要があるため、実際に脱退一時金を受け取れるケースは非常に限られています。「お金が必要だから解約したい」という理由だけでは受け取ることができない点にご注意ください。

なお、脱退一時金を受け取った場合は「一時所得」として課税されます。

④ 退職・転職時はどうなる?「移換」という選択肢

退職や転職をした場合でも、資産は消えずに次の制度へ「移換」することができます。

転職先に企業型DCがある場合

転職先の企業型DCへ資産を移換(ポータビリティ)できます。手続きは転職先の会社の担当者または運営管理機関を通じて行います。転職後も運用を継続できるため、積立の中断を最小化できます。

転職先に企業型DCがない場合・独立する場合

iDeCo(個人型確定拠出年金)へ移換します。iDeCoに加入して移換手続きを行えば、引き続き税制優遇を受けながら運用できます。

専業主婦(夫)になる場合

iDeCoへの移換が可能です。国民年金の第3号被保険者もiDeCoに加入できます(掛金上限:月額2.3万円)。

移換しないとどうなる?

退職後6か月以内に移換手続きをしないと、資産は国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換された資産は運用されず、管理手数料だけが引かれ続けるため、早めの手続きを強くお勧めします。

⑤ FAQ

Q. 病気や急な出費で今すぐお金が必要です。DCから引き出せませんか?

A. 残念ながら、病気・急な出費・生活困窮といった理由では企業型DCの資産を引き出すことはできません。前述の「脱退一時金」の条件を満たす場合のみ例外が認められます。緊急の資金需要には、融資や社会的支援制度の活用をご検討ください。

Q. 会社を辞めた後、DCはどうなりますか?

A. 退職後は自動的に加入者ではなくなりますが、資産は消えません。6か月以内にiDeCoまたは転職先DCへの移換手続きを行ってください。

Q. 60歳で受け取る際の税金はどうなりますか?

A. 一時金で受け取る場合は「退職所得」として退職所得控除が適用されます。年金形式で受け取る場合は「雑所得」として公的年金等控除が適用されます。どちらも税制優遇が受けられます。

Q. 掛金の停止中も手数料はかかりますか?

A. 加入者として在籍している間は、運営管理機関や信託銀行に手数料がかかります。手数料の金額は運営管理機関によって異なります。

Q. 中小企業でも企業型DCを導入できますか?

A. はい、できます。(株)日本企業型確定拠出年金センターは中小企業への導入支援を専門としており、1,300社以上の導入実績があります。SBIベネフィット・システムズと共同開発した「SBIぷらす年金プラン」で、コストを抑えた導入が可能です。

⑥ まとめ

  • 企業型DCは原則として60歳まで解約・引き出し不可
  • 掛金の停止・減額は可能だが、積立済みの資産は引き出せない
  • 脱退一時金の受け取りは厳しい要件を満たす場合のみ
  • 退職・転職時はiDeCoまたは転職先DCへ移換することで資産を引き継げる
  • 移換手続きを怠ると自動移換され、運用停止・手数料引き落としが続く

企業型DCは「解約できない」という制約があるからこそ、老後資産を着実に守り育てることができる制度です。制度を正しく理解したうえで、長期的な資産形成に活用しましょう。

(株)日本企業型確定拠出年金センターでは、SBIベネフィット・システムズと共同開発した「SBIぷらす年金プラン」を活用し、オンライン全国対応の無料相談(Zoom 60分)を実施しています。「うちの会社に合った制度設計を知りたい」「今ある制度との違いを比較したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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