企業型DC運用でよくある失敗パターン7選と対策|損しないための基礎知識
企業型確定拠出年金(企業型DC)は、運用次第で老後資産が大きく変わる制度です。しかし、加入者の多くが「何となく始めて、そのまま放置」という状態になっています。本記事では、実際に多く見られる失敗パターンを7つ整理し、それぞれの対策をわかりやすく解説します。
この記事の監修
株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員 企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕
- DCプランナー2級
- AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
- 企業年金管理士
- 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験合格
- 知的財産管理技能検定3級
- グーグルデジタルワークショップ修了
- 給与計算実務能力検定2級
日本企業型確定拠出年金センターの立ち上げから事業化に関わり、自身も400社以上の企業に企業型DCを導入している。商工会議所や工事組合をはじめ多数の税理士法人で職員向け及び顧客向けにセミナーを実施している。
自身の出演するYouTube『DCチャンネル』は専門チャンネルでありながら1万人を超える登録者を誇っている。
▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center
NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

失敗①:初期設定のまま放置する
企業型DCに加入した際、会社が設定したデフォルト商品のまま運用を続けている方は少なくありません。デフォルトは元本確保型の定期預金が設定されていることが多く、低金利環境では資産がほとんど増えません。
対策: 加入後は速やかに自分のリスク許容度に合った商品へ変更しましょう。30〜40代であれば、ある程度株式比率を持たせた運用が一般的です。

失敗②:全額元本保証型にしている
「絶対に損したくない」という気持ちから、掛金の全額を定期預金や保険などの元本確保型商品に集中させるケースがあります。しかし、インフレが進む局面では実質的な購買力が低下し、「損をしていないようで損をしている」状態になります。
対策: 少なくとも一部は投資信託などの運用商品を組み合わせ、長期的なインフレに備えることが重要です。
失敗③:相場下落時にスイッチングしてしまう
株式相場が大きく下がった局面で、あわてて元本確保型へ全額スイッチングしてしまう失敗です。下落したタイミングで売ってしまうと損失を確定させ、その後の回復の恩恵を受けられません。
対策: DCは長期運用が前提です。相場の一時的な下落に動じず、定期的な積立を続けることで時間分散の効果を活かしましょう。

失敗④:信託報酬の高い商品を選んでいる
DC専用ファンドの中にも、信託報酬(運用コスト)が高い商品が混在しています。年0.5%と1.5%では、30年間の運用で最終的な資産額に大きな差が生まれます。
対策: 同じ資産クラスの商品を比較し、できるだけ信託報酬が低いインデックスファンドを選ぶことを基本方針にしましょう。目安として年0.3%以下の商品を優先的に検討してください。

失敗⑤:60歳近くで株式100%のまま
20〜30代のうちは株式中心の運用が有効ですが、受給開始が近づいた段階でもリスクの高い運用比率を維持したままにしているケースがあります。大きな相場下落が重なると、受け取り直前に資産が大幅に目減りするリスクがあります。
対策: 一般的には受給開始の5〜10年前から徐々に債券や元本確保型へシフトし、資産を守る運用へ切り替えていくことが推奨されます。ライフステージに合わせた見直しが欠かせません。
失敗⑥:分散しすぎて管理できていない
「分散投資が大事」と意識するあまり、10種類以上のファンドを保有して全体像が把握できなくなるケースがあります。重複した資産クラスを持っていたり、リバランスのタイミングを逃したりすることが多くなります。
対策: 商品数は3〜5本程度に絞り、国内株式・外国株式・債券といった大きな資産クラスで分散する方法がシンプルで管理しやすいです。定期的に配分比率を確認し、年1回程度のリバランスを習慣化しましょう。

失敗⑦:受け取り方法を考えていない
企業型DCの受け取り方には「一時金」「年金」「併用」の選択肢があり、それぞれ税務上の扱いが異なります。退職所得控除や公的年金等控除との兼ね合いを考えずに決めてしまうと、受取額が思ったより少なくなることがあります。
対策: 退職金や公的年金の受給時期・金額と合わせて、受け取り方法を事前にシミュレーションしておきましょう。2026年時点の税制では、受け取り方の違いが手取り額に大きく影響します。専門家への相談も有効です。

よくある質問(FAQ)
Q1. 企業型DCは加入してからどのくらいの頻度で見直すべきですか?
少なくとも年1回は資産配分を確認することをおすすめします。相場環境やライフステージに大きな変化があった際には、そのタイミングでも見直すとよいでしょう。
Q2. 選択制DCとは何ですか?会社への負担はありますか?
選択制DCとは、従業員が給与の一部をDC掛金として積み立てる仕組みです。会社が新たに掛金を拠出するのではなく、従業員の給与から拠出するため、会社側の新たな掛金負担がないのが特徴です。中小企業でも導入しやすい制度として注目されています。
Q3. SBIぷらす年金プランとはどのような仕組みですか?
SBIぷらす年金プランは、SBIベネフィット・システムズとの共同開発によるプランで、1,300社以上の導入実績があります。低コストで充実した運用商品ラインナップが特徴で、中小企業から大手企業まで幅広く活用されています。
Q4. 運用の見直しについてオンラインで相談することはできますか?
はい、可能です。Zoomを使ったオンライン相談(60分・無料)に対応しており、全国どこからでもご利用いただけます。DC運用の基礎から受け取り方法の選択まで、専門担当者がわかりやすくご説明します。
まとめ
企業型DCの運用で陥りやすい失敗パターンは、「放置」「偏り」「感情的な判断」「出口戦略の欠如」の4つに大きく整理できます。長期にわたる制度だからこそ、定期的な確認と適切な見直しが老後資産の形成に直結します。
どのファンドを選べばよいかわからない、現在の配分が適切かどうか不安という方は、ぜひ専門家にご相談ください。オンライン全国対応・無料相談(Zoom 60分)で、お一人おひとりの状況に合わせたアドバイスをご提供しています。



