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企業型DCに加入しないとどうなる?従業員目線でメリット・デメリットを解説

企業型DCに加入しないとどうなる?従業員目線でメリット・デメリットを解説

会社が企業型DC(確定拠出年金)を導入している場合、「加入しなければいけないのか」「加入しないとどうなるのか」と疑問に思う従業員の方もいるでしょう。また、人事担当者から「加入しない従業員への対応はどうすればよいか」というご質問もよくいただきます。本記事では、従業員目線で企業型DCに加入しない場合の影響を詳しく解説します。

株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員  企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕

  • DCプランナー2級
  • AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
  • 企業年金管理士
  • 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
  • 情報セキュリティマネジメント試験合格
  • 知的財産管理技能検定3級
  • グーグルデジタルワークショップ修了
  • 給与計算実務能力検定2級

▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center

NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

① 加入しないことができる(タイプによって異なる)

企業型DCには、会社の規約によって加入が「強制」か「任意」かが決まります。

全員加入型(加入必須)

会社の規約で「全従業員が対象」と定めている場合、対象となる従業員は原則として加入が必要です。一定の要件(60歳以上、有期雇用で2か月未満など)を除き、加入しないという選択はできません。

選択制DC(任意加入)

選択制DCは、従業員が加入するかどうかを自分で選べる仕組みです。「加入する(給与の一部をDCへ拠出する)」か「加入しない(現状の給与を受け取り続ける)」かを選択できます。

以下では、より影響が複雑な「選択制DC」において加入しない場合を中心に解説します。

② 加入しない場合に失うもの(選択制DCの場合)

選択制DCで加入しない場合、以下のメリットを受け取れなくなります。

税制優遇の喪失

企業型DCに拠出した掛金は、全額が所得控除の対象になります。たとえば月額2万円を拠出している場合、年間24万円が課税所得から差し引かれ、所得税・住民税が軽減されます。加入しない場合はこの節税効果を受けられません。

長期的な老後資産の形成機会の喪失

DCは長期の積立・運用によって資産を形成する制度です。若いうちから加入しないでいると、複利効果を活かせる時間が短くなり、老後に受け取れる資産が大幅に少なくなります。

③ 選択制DCで「加入しない」と手取りはどうなる?

選択制DCの仕組みを理解するうえで重要なのが「給与の一部をDCに振り替える」という考え方です。たとえば給与が月額30万円の場合を例に挙げます。

加入しない場合は現状の給与30万円から社会保険料・税金が引かれた手取りを受け取ります。一方、選択制DCに月2万円拠出した場合、手元の現金は少なくなりますが、その2万円は所得税や住民税などの税制優遇を受けながら、全額が自分の将来のための資産として積み立てられます。結果として、ただ現金のまま受け取るよりも、税制メリットを活かしながら効率よく将来のための資産(DC積立額)を確保することができます。

つまり選択制DCに加入しない場合、国が用意してくれている「税制上のメリットを活かして効率よく貯蓄するチャンス」を見送ることになります。

(※実際の金額は給与水準・扶養状況・各種控除により異なります)

④ 加入をためらう理由とよくある誤解

従業員が企業型DCへの加入をためらう理由として、以下のようなものがよく挙げられます。

「投資は怖い・損をしそう」 DCの運用商品には「元本確保型(定期預金・保険)」も含まれています。リスクを取りたくない方は元本確保型を選ぶことで、損失リスクを回避しながら積み立てることができます。

「60歳まで引き出せないのは不安」 確かに流動性は低いですが、老後資産の形成という観点では「引き出せない」ことがむしろメリットです。生活費に使い込まず、確実に積み立てができます。

「手取りが減るのは困る」 上述のとおり、確かに拠出した分の手元の現金は少なくなりますが、税制上の優遇措置が適用されるため、実質的な負担感を抑えながら将来への積立をスタートできます。

「制度が複雑でよくわからない」 これは会社側の投資教育・説明会の充実で解消できます。企業型DCの導入には投資教育の実施が事業主に義務づけられています。

⑤ 加入を迷っている人がチェックすべき3つのポイント

ポイント1:老後の資産形成計画を確認する

公的年金だけで老後の生活を賄うのは多くの方にとって難しい状況です。企業型DCは老後の資金ギャップを埋める有力な手段の一つです。

ポイント2:税制優遇の効果を試算してみる

年収・税率・拠出額によって節税効果は異なります。会社の担当者や専門家に相談して、自分の場合にどのくらいの節税効果があるか試算してもらいましょう。

ポイント3:まずは少額から始める

毎月の拠出額が心配な場合は、少額から始めることができます(最低5,000円〜)。生活費への影響を見ながら拠出額を調整することも可能です。

⑥ FAQ

Q. 選択制DCで加入しなかった場合、後から加入できますか?

A. 会社の規約に定められた変更期間に申し出ることで、後から加入することができます。加入のタイミングが遅れると積立期間が短くなるため、早めの検討をお勧めします。

Q. 加入しないと会社から何かペナルティはありますか?

A. 選択制DCは任意加入のため、加入しないことによるペナルティはありません。加入・不加入の選択は従業員の権利です。

Q. 転職したらDCはどうなりますか?

A. 転職先の企業型DCまたはiDeCoへ資産を移換(ポータビリティ)することができます。積み立てた資産は消えません。

Q. 社会保険料が下がると将来の厚生年金が減りますか?

A. はい、標準報酬月額が下がることで、将来受け取る厚生年金の額が若干少なくなる可能性があります。ただし、DCでの積立資産が老後の年金の補完となるため、トータルでは有利なケースが多いと言われています。個別の試算は専門家にご相談ください。

Q. 経営者・役員も企業型DCに加入できますか?

A. 法人の役員も、一定の要件を満たせば企業型DCに加入できます。詳しい要件は(株)日本企業型確定拠出年金センターへお問い合わせください。

⑦ まとめ

  • 企業型DCへの加入は、全員加入型か選択制かによって「必須」か「任意」かが異なる
  • 選択制DCで加入しない場合、所得税・住民税などの税制優遇や、長期的な資産形成の機会を活かせなくなる
  • 「投資が怖い」「手取りが減る」という懸念は、正しく理解すれば多くは解消できる
  • まず少額から始め、生活に影響が出ないか確認しながら拠出額を調整できる

従業員が企業型DCの価値を正しく理解するためには、会社側の丁寧な情報提供・説明が欠かせません。「従業員への投資教育をどう進めればよいか」「選択制DCの仕組みを整備したい」という経営者・人事担当者の方は、ぜひ専門家にご相談ください。

(株)日本企業型確定拠出年金センターでは、選択制DCを含む企業型DC全般の導入支援を行っています。SBIベネフィット・システムズと共同開発した「SBIぷらす年金プラン」は、会社の新たな掛金負担なしで導入できる選択制DCにも対応しています。オンライン全国対応の無料相談(Zoom 60分)をぜひご活用ください。

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