宗教法人の企業型確定拠出年金(企業型DC)導入。気を付けるべき ポイントを日本企業型確定拠出年金センターが解説します。
宗教法人であっても、一般企業と同様に、退職金制度についてお悩みのケースは多々あります。宗教法人の職員はもちろんですが、宗教法人経営者においても勇退後の生活設計をどうするかは、非常に重要な問題です。万が一に備え、今からどのような準備ができるのか、検討しておきましょう。
今回は、宗教法人において企業型確定拠出年金(企業型DC)の導入を検討することになったとき、気をつけておきたいポイントについて解説していきます。
この記事の監修
株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員 企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕
- DCプランナー2級
- AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
- 企業年金管理士
- 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験合格
- 知的財産管理技能検定3級
- グーグルデジタルワークショップ修了
- 給与計算実務能力検定2級
日本企業型確定拠出年金センターの立ち上げから事業化に関わり、自身も400社以上の企業に企業型DCを導入している。商工会議所や工事組合をはじめ多数の税理士法人で職員向け及び顧客向けにセミナーを実施している。
自身の出演するYouTube『DCチャンネル』は専門チャンネルでありながら1万人を超える登録者を誇っている。
▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center
NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

1. 宗教法人とは?
宗教法人とは、教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする宗教団体です。宗教法人法に基づいて、都道府県知事もしくは文部科学大臣の認証のうえ、法人格を与えられたものです。公益法人の一種で、神社、寺院、教会をはじめ、それを包括する教派、宗派、教団などがそれにあたります。
2. 宗教法人が企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入するとき。気をつけておきたい3つのポイント。
さて、宗教法人でのお悩みのひとつに、退職金などの取り決めがないことがあります。一般の会社のように宗教者には定年というものがないことが多いので、しっかりと制度として整備されていない宗教法人もあるでしょう。
ただ、宗教法人といえども、後継者への承継を行うケースや、職員を抱えていれば、職員の定年や退職にどのように準備しておくか、整えておかなければなりません。宗教法人が企業型確定拠出年金(企業型DC)の導入を検討している場合には、以下のポイントを確認しておきましょう。
① 社会保険手続き
そもそも企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入するにあたって、確認しておきたいのが、宗教法人が厚生年金保険の加入手続きをされているか、ということです。
企業型DC制度は、そもそも厚生年金被保険者でなければ加入ができません。
宗教法人の場合、厚生年金に加入していないケースも多々あります。住職1人の宗教法人で住職の報酬がない場合など、未加入のケースは多いかもしれません。
ただ、宗教法人であっても、法人登記されている事業所であり、常時従業員を使用する場合には、厚生年金保険の強制適用事業所ということになります。また、強制適用事業所に該当しない場合であっても、適用事業所になることに関して、従業員の1/2以上が同意している場合には、任意適用事業所として厚生年金の加入が可能となっています。
②給与計算
一般の企業が従業員に給与を支払う際と同様に、宗教法人においても給与を支払う際には、一定のルールのもと計算し、処理を行わなくてはなりません。
とくに気をつけておきたいのは、個人に支払った給与に対しての所得税の源泉徴収、社会保険料の適用事業所に該当する場合には、社会保険料の徴収が必要になります。また、宗教法人が職員などに食事や住居などを提供している場合には、現物の給与を支給しているとして源泉徴収の必要が生じるケースもあります。
企業型DCの導入を検討している場合には、厚生年金保険の加入とあわせて、給与計算についても今一度整理・確認しておきたいものです。なかでも選択制DCを導入する場合には、給与等の一部を掛金として拠出することになりますので、今のうちから給与計算の計算方法や処理について、見直し・明確にしておきましょう。
③就業規則
宗教法人であっても、そこに働く職員を雇っていれば、就業規則の整備をおすすめします。人数も少ない宗教法人の場合などは、整備されていないケースも多いかもしれませんが、人数が少なくとも、職員を1人でも雇えば、労働基準法の適用がされます。
3. まとめ
最近では、一般の企業と変わらず、宗教者や宗教法人経営者においても、ある程度の年齢で勇退し、次世代へ承継するというケースも多くなっています。宗教法人といえども、一般の企業経営者や従業員と同じく、将来の資産準備が必要なのは言うまでもありません。










