全国1,300社以上の実績!企業型確定拠出年金の導入支援

  1. HOME
  2. コラム
  3. 基準価額は高いほうがいい?低いほうが有利?DCファンド選びの誤解を解説
Column

コラム

基準価額は高いほうがいい?低いほうが有利?DCファンド選びの誤解を解説

基準価額は高いほうがいい?低いほうが有利?DCファンド選びの誤解を解説

「Aファンドは基準価額が2万円、Bファンドは1万円。これから伸び代がありそうな安いBを買おう」

確定拠出年金(DC/iDeCo)の商品選びで、このように考えたことはありませんか? スーパーの買い物では「安い=お得」ですが、投資信託の世界ではその常識は通用しません。

実は、基準価額の「高い・安い」は、ファンドの良し悪しや将来の利益とは全く関係がないのです。

本記事では、なぜ基準価額の高低を気にする必要がないのか、その明確な理由と、DCファンド選びで本当に見るべき「3つの数字」を解説します。

動画で解説:投資信託の基準価額 「高い・安い」は判断基準に影響しない!?

YouTube player

1. 基準価額の正体:なぜ「高い・安い」で良し悪しが決まらないのか?

まず結論からお伝えすると、基準価額が高いか低いかは、投資の有利・不利には一切影響しません。 その理由を理解するために、基準価額が決まる仕組みと、価格差が生まれる背景を見てみましょう。

基準価額は「現在の成績表」ではなく「これまでの足跡」

基準価額とは、投資信託の「1万口あたりの値段」のことで、以下の計算式で毎日算出されます。

基準価額 = 純資産総額 / 総口数 × 10,000

つまり、投資家から集めたお金(純資産)を、発行したチケットの枚数(口数)で割っただけの数字です。

価格差が生まれる2つの理由

では、なぜ3万円のファンドと1万円のファンドが存在するのでしょうか。主な理由は以下の2点です。

・運用期間の長さ: 日本の多くのファンドは1万円からスタートします。20年前に設定されたファンドは、長く運用された分だけ価値が上がり、基準価額が高くなっている傾向があります。
・過去の運用実績と「再投資」: 運用がうまくいき、利益が出るたびに分配金として出さず、ファンドの中で再投資(複利運用)し続けた場合、その分が基準価額に積み上がります。

特にDC(確定拠出年金)の商品は、分配金を出さないタイプが主流です。利益が雪だるま式に内部で増えていくため、歴史ある優秀なファンドほど基準価額が高くなるのは自然なことです。

つまり、基準価額が高いことは「歴史が長く、過去に実績を上げてきた証拠」ではありますが、「今から買う人にとって割高」なわけでも、「これから上がらない」わけでもないのです。

コンサルタント石黒
コンサルタント石黒
基準価額は、分配金の支払いや市場の変動によって毎日上下します。

2. 「低いほうがたくさん買えてお得」は勘違い?よくある2つの誤解

投資初心者が陥りやすい、基準価額に関する「あるあるな誤解」を2つ紹介します。

誤解①:「基準価額が高いファンドは天井で、これ以上上がりにくい」

「3万円のファンドはもう高すぎる」と考えるのは間違いです。 企業の株価には割高・割安の指標(PERなど)がありますが、投資信託の基準価額に「天井」はありません。

・3万円のファンドが4万円になる(約33%上昇)
・1万円のファンドが1万3,333円になる(約33%上昇)

どちらも利益率は同じです。「価格が高いから成長余地がない」という物理的な限界は存在しません。

誤解②:「基準価額が低いファンドは、たくさん買えるからお得」

「安いファンドなら、同じ金額でたくさんの口数(くちすう)が買える。だからお得だ!」というのも大きな誤解です。 「たくさんの口数を持っている=利益が増える」わけではありません。

手元に1万円の投資資金がある場合の比較を見てみましょう。

比較項目 Aファンド(基準価額:1万円) Bファンド(基準価額:2万円)
購入できる口数 10,000口 5,000口
翌日の値動き +10% 上昇 +10% 上昇
翌日の基準価額 11,000円 22,000円
評価額(資産価値) 11,000円 11,000円
利益 +1,000円 +1,000円

このように、口数が多くても少なくても、最終的な利益額は同じです。

3. 基準価額より重要!DCファンド選びでチェックすべき3つの指標

基準価額を気にする必要がないなら、何を基準に選べばよいのでしょうか? DCファンド選びで失敗しないために、必ずチェックすべき3つの指標をご紹介します。

① ファンドの規模と信頼性を示す「純資産総額」

まず見るべきは「純資産総額」(ファンドの規模)です。 これが順調に増えているファンドは、投資家からの支持があり運用が安定している証拠です。

チェックポイント:極端に少ない(数億円以下など)場合や、減り続けている場合は、「繰上償還(強制終了)」のリスクがあります。

② 見かけの価格ではなく実質的な成果を見る「トータルリターン」

「基準価額がいくらか」ではなく、「一定期間で何%増えたか(トータルリターン)」を確認しましょう。一般的に、比較する際は同じカテゴリー(例:「国内株式型」同士)で比べるとよいとされています。

③ 長期的な運用成果に影響する「信託報酬(コスト)」

最も確実で重要なのが「信託報酬(運営管理費用)」です。 これは保有期間中ずっと引かれ続ける手数料です。DCのような長期投資では、0.1%のコスト差が数十年後に数十万円の差になります。

一般的に、低コストの商品を選択することが望まれています。

4. 「積立投資」が最適といわれる理由

そもそも、DC(確定拠出年金)は毎月一定額を買い続ける「定額積立」の仕組みです。 この仕組みでは、自然と「ドル・コスト平均法」を実践することになります。

・基準価額が高い月: 購入口数が減る(高値掴みを防ぐ)。
・基準価額が低い月: 購入口数が増える(同じ金額で多く仕込める)。

これにより、長期的に見れば「平均購入単価を平準化する(ならす)」ことができます。 第2章で解説した通り、一時点での口数の多さは利益に直結しませんが、時間をかけて「安い時に多く買う」ことを継続すると、結果的に高値掴みのリスクを抑え、運用効率を高める効果が期待できます。

「今は高いから待とう」「下がったから買おう」とタイミングを計る必要はありません。

5. まとめ

最後に、本記事のポイントをまとめます。

・基準価額の「高い・安い」は投資の有利・不利に関係ない。
・基準価額が高いのは、過去の歴史と実績の積み重ねである。
・「安いファンド=口数が多く買える=お得」という訳ではない。

DCファンドを選ぶ際は、現在の価格(基準価額)を見るのではなく、「コスト(信託報酬)」が安く、「実績(トータルリターン・純資産総額)」がしっかりしている商品を選ぶことが大切です。

経営者・企業担当者の方へ

日本企業型確定拠出年金センターでは、経営者・企業担当者のみなさまに、企業型DC導入に関する個別相談を無料で行っています。運用商品のラインナップについても詳しくお伝えできますので、ぜひ一度お問合せください。

よくある質問(FAQ)

Q 基準価額が安いファンドのほうが、割安でお得ですか?

A いいえ、それは誤解です。

投資信託の基準価額が低いからといって「割安」であるとは限りません。
基準価額はこれまでの運用成果の積み重ねであり、これからの成長性を保証するものではないため、現在の価格だけで有利・不利は判断できません。

Q 基準価額が低いとたくさんの口数(くちすう)が買えるので、利益が出やすいですか?

A 口数を多く持っていても、利益が出やすいわけではありません。

投資の利益は「投資金額に対して何%増えたか」で決まります。
100万口持っていて10%上がるのと、50万口持っていて10%上がるのでは、投資金額が同じなら利益額も同じです。

Q 信託報酬(手数料)は、基準価額よりも重要ですか?

A はい、非常に重要です。

信託報酬は保有している間ずっとかかり続けるコストです。
わずか0.1%の違いでも、DCのような長期投資では将来の受取額に大きな差が出る可能性があるため、必ずチェックしましょう。

お問合せ・ご相談はこちら

お気軽にお問合せください

営業時間:9:00〜17:00
休業日:土曜・日曜・祝日

お電話でのお問い合わせはこちら
TEL:050-3645-9040
※導入に関するご相談を承っております。個人の方の質問はお答えできませんのでご了承ください。

関連記事

YouTube『DCチャンネル』更新中!

セミナー情報

セミナー情報をすべて見る

企業型確定拠出年金の
お役立ち資料

お役立ち資料をすべて見る
個別相談無料
全国対応可能
お問い合わせ・ご相談
企業型確定拠出年金の導入に関することならなんでもお気軽にご相談ください。
全国対応 オンライン無料個別相談
申し込みはこちら
無料相談予約
(24時間受付)
SBIぷらす年金
資料ダウンロード