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企業型DCは倒産したらどうなる?資産保全の仕組みを解説

企業型DCは倒産したらどうなる?資産保全の仕組みを解説

「会社が倒産したら、積み立ててきた企業型DC(確定拠出年金)はどうなるのだろう?」——そんな不安を抱える経営者や従業員は少なくありません。退職金制度と違い、企業型DCの資産は法律によって強固に守られています。本記事では、倒産時の資産保全の仕組みと具体的な手続きの流れをわかりやすく解説します。

株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員  企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕

  • DCプランナー2級
  • AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
  • 企業年金管理士
  • 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
  • 情報セキュリティマネジメント試験合格
  • 知的財産管理技能検定3級
  • グーグルデジタルワークショップ修了
  • 給与計算実務能力検定2級

▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center

NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

① 倒産しても資産はなくならない

結論からお伝えすると、会社が倒産しても企業型DCの積立資産は消えません

従来の退職金制度(社内準備型)の場合、会社が倒産すると退職金は未払いになるリスクがあります。一方、企業型DCは「確定拠出年金法」に基づき、資産が会社の財産とは完全に切り離された状態で管理されています。会社が破産手続きに入っても、DCの資産は差し押さえの対象にならず、債権者に取られることもありません。

この仕組みが成立している背景には「信託財産の分別管理」という制度があります。

② 信託財産の分別管理とは

企業型DCに拠出された掛金は、信託銀行に設けられた信託口座で管理されます。この口座は会社の一般口座とは完全に分離されており、法律上も「信託財産」として扱われます。

信託財産の特徴は以下のとおりです。

  • 倒産隔離機能:会社が破産・民事再生などの法的手続きに入っても、信託財産は倒産財団に組み込まれない
  • 差押禁止:会社の債権者は信託財産を差し押さえることができない
  • 運用益も保全:積み立てた元本だけでなく、運用によって生じた利益も同様に保護される

つまり、企業型DCに移された時点で、その資産は実質的に「従業員個人のもの」として保護される仕組みになっています。これは、従業員にとって非常に大きな安心材料です。

なお、運営管理機関(記録管理や投資教育を担う金融機関)が経営破綻した場合も、資産は信託銀行に分別管理されているため影響を受けません。

③ 倒産時の具体的な手続きの流れ

会社が倒産した場合、企業型DCの加入者(従業員)は以下のような流れで手続きを進めます。

ステップ1:会社からの通知を確認する

まず、運営管理機関または事業主から「企業型DC規約の廃止」に関する通知が届きます。倒産・廃業の場合、事業主が手続きを進められないケースもあるため、運営管理機関(レコードキーパー)に直接問い合わせることも有効です。

ステップ2:資産の移換先を決める

企業型DCの規約が廃止されると、加入者は一定期間内に資産の「移換」手続きを行う必要があります。移換先の選択肢は主に2つです。

  1. iDeCo(個人型確定拠出年金)へ移換
  2. 転職先の企業型DCへ移換

ステップ3:移換手続きを行う

移換先が決まったら、各制度の加入手続きを行い、資産の移換を申請します。手続きには通常1〜3か月程度かかります。なお、移換先が決まらないまま一定期間(通常6か月)が経過すると、自動的に国民年金基金連合会に資産が移管され(自動移換)、その間は運用ができなくなるため注意が必要です。

④ iDeCoへの移換と転職先DCへの移換、どちらを選ぶ?

iDeCoへの移換

転職先が決まっていない場合や、フリーランス・自営業になる場合に適しています。iDeCoでも同様に税制優遇を受けながら運用を継続できます。ただし、iDeCoは自分で掛金を拠出する必要があり、月額5,000円以上の拠出が求められます(企業型DCと異なり、事業主掛金はありません)。

転職先の企業型DCへの移換

転職先の会社が企業型DCを導入している場合、そちらへの移換が最もシンプルです。引き続き事業主掛金の上乗せが期待でき、運用も継続できます。

移換時の税金について

移換手続きは「一時金の受け取り」ではなく、あくまで「資産の移動」のため、この時点では課税されません。非課税のまま資産を移し替えられる点も、企業型DCの大きなメリットです。

⑤ FAQ

Q. 会社が倒産したら、企業型DCの資産はすぐに受け取れますか?

A. 原則として、企業型DCの資産は60歳になるまで受け取れません。倒産によって会社を辞めた場合でも同様です。資産はiDeCoや転職先DCに移換して、引き続き運用・積立を続けることになります。ただし、一定の要件(通算加入期間が短いなど)を満たす場合は「脱退一時金」として受け取れる例外があります。

Q. 倒産した会社のDCに関する問い合わせ先はどこですか?

A. まずは運営管理機関(加入者向けの冊子やWebサイトに記載)に問い合わせてください。会社が倒産して連絡が取れない場合も、運営管理機関が手続きの案内をしてくれます。

Q. 移換手続きを忘れるとどうなりますか?

A. 一定期間内に移換手続きを行わないと、資産は国民年金基金連合会に「自動移換」されます。自動移換された資産は運用されず、手数料だけが差し引かれ続けます。早めの手続きが重要です。

Q. 自動移換された資産は取り戻せますか?

A. はい、取り戻すことができます。iDeCoに加入して移換手続きを行えば、自動移換された資産を引き継ぐことが可能です。

Q. 企業型DCは中小企業でも導入できますか?

A. はい、企業規模を問わず導入できます。(株)日本企業型確定拠出年金センターでは、中小企業への導入支援を専門としており、1,300社以上の導入実績があります。

⑥ まとめ

  • 企業型DCの資産は信託財産として会社の財産と分別管理されており、会社が倒産しても資産は守られる
  • 倒産時は「iDeCoへの移換」または「転職先DCへの移換」を選択する
  • 移換時に税金はかからず、非課税で資産を継続運用できる
  • 自動移換を防ぐため、早めの手続きが重要

企業型DCは、従業員の老後資産を会社の経営リスクから切り離して守ることができる制度です。「退職金制度があるから不要」と思っている経営者の方も、ぜひ一度、企業型DCのメリットを確認してみてください。

(株)日本企業型確定拠出年金センターでは、SBIベネフィット・システムズと共同開発した「SBIぷらす年金プラン」を活用し、オンラインで全国対応の無料相談(Zoom 60分)を実施しています。1,300社以上の導入実績をもとに、貴社に最適なプランをご提案します。

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