生命保険料や個人年金保険料は、年末調整や確定申告で控除を行いますが、「企業型確定拠出年金(企業型DC)」は、手続きが必要なのでしょうか。
今回は、企業型確定拠出年金を導入したときの年末調整や確定申告について、企業担当者がおさえておきたいポイントについて解説していきます。
2024年最新版の情報となっていますので、最後までご覧ください。
この記事の監修
株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員 企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕
- DCプランナー2級
- AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
- 企業年金管理士
- 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験合格
- 知的財産管理技能検定3級
- グーグルデジタルワークショップ修了
- 給与計算実務能力検定2級
日本企業型確定拠出年金センターの立ち上げから事業化に関わり、自身も400社以上の企業に企業型DCを導入している。商工会議所や工事組合をはじめ多数の税理士法人で職員向け及び顧客向けにセミナーを実施している。
自身の出演するYouTube『DCチャンネル』は専門チャンネルでありながら1万人を超える登録者を誇っている。
▶DCチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@ndc-center
NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

動画でもわかりやすく解説しています!
1. 確定拠出年金は企業型と個人型。
控除を受けるために年末調整や確定申告は対応が異なる
確定拠出年金と呼ばれる年金制度には、企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類があります。
① 企業型確定拠出年金(企業型DC)
企業が毎月掛金を拠出し、従業員が運用を行います。原則、企業が掛金を負担しますが、企業によっては従業員が掛金の一部を支払う制度(マッチング拠出)を導入していることもあります。
② 個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人が加入している確定拠出年金です。自身で掛金を拠出し、運用します。
これら2種類の確定拠出年金の支払額は、いずれも所得控除となります。したがって、会社員であれば年末調整、個人事業主などであれば確定申告をすることになるのですが、その対応方法は、少し異なります。
わかりやすいのは、個人型確定拠出年金(iDeCo)。掛金を支払っているのは、個人ですので、会社員であれば年末調整、個人事業主等であれば確定申告をすることになります。
一方の企業型確定拠出年金(企業型DC)は、原則、企業が掛金の負担を行っています。しかし、従業員自身が一部掛金を支払っている(マッチング拠出)ケースもあります。この場合はどうなるのでしょうか。
1)企業型DC:企業だけが掛金を支払っているケース
当たり前ですが、企業だけが掛金を支払っている場合には、従業員自身に何ら影響はありません。従業員が掛金について年末調整および確定申告を行う必要はありません。
※規約によって変わりますので、不安な場合は運営管理機関にご確認ください。
2)企業型DC:従業員が掛金を支払っているケース
マッチング拠出によって従業員が自ら掛金を上乗せして支払っているなどのケースは、年末調整が必要です。ただし、従業員自身が手続きをする必要はありません。
企業は、会社の掛金額も、従業員の掛金額も把握しているので、企業側で控除額を計算したうえで、年末調整を行います。従業員は、その他の控除に関する申告がなければ、とくに手続きも必要ありません。その後発行される源泉徴収票を確認するだけになります。
3)企業型DC:従業員がiDeCoにも掛金を支払っているケース
企業型DCに加入している従業員が、個人でiDeCoに加入し掛金を支払っているケースもあります。iDeCoの掛金を会社で把握していない場合には、従業員自身が「給与所得者の保険料控除申告書」の小規模共済等掛金控除欄に掛金総額を記入し提出することで、年末調整を行います。
2. 年末調整時の企業の対応
企業型確定拠出年金で、従業員が上乗せ拠出している掛金がある場合には、掛金を把握している企業が年末調整の手続きを行わなければなりません。
■「給与所得者の保険料控除申告書」への記載
小規模共済等掛金控除欄に掛金総額を記入します。

「給与所得者の保険料控除申告書」(国税庁)https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/r2bun_06.pdf
■「源泉徴収票」への記載
従業員が拠出した掛金は、社会保険料と同様の扱いとなります。源泉徴収票にも記載します。

3. まとめ
確定拠出年金は、掛金を誰が拠出しているかによって、年末調整が必要かどうかが異なります。企業担当者は、従業員個人ごとの掛金をしっかりチェックしておく必要があります。










