企業型確定拠出年金の最新動向 | 2022年4月以降の法改正を解説します。
2020 年 6月 5 日に「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が公布されてから、公的年金から私的年金まで多岐にわたる改正が行われています。今回は、そのなかから2022年4月以降施行予定の確定拠出年金に関わる法改正に着目し、主なポイントや留意点等について解説します。
この記事の監修
株式会社日本企業型確定拠出年金センター
執行役員 企業型DC導入支援グループマネージャー
石黒充顕
- DCプランナー2級
- AFP(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)
- 企業年金管理士
- 確定拠出年金ガイド(SBI Benefit Systems認定資格)
- 情報セキュリティマネジメント試験合格
- 知的財産管理技能検定3級
- グーグルデジタルワークショップ修了
- 給与計算実務能力検定2級
日本企業型確定拠出年金センターの立ち上げから事業化に関わり、自身も400社以上の企業に企業型DCを導入している。商工会議所や工事組合をはじめ多数の税理士法人で職員向け及び顧客向けにセミナーを実施している。
自身の出演するYouTube『DCチャンネル』は専門チャンネルでありながら1万人を超える登録者を誇っている。
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NewsPicksやヒロ税理士、マキノヤ先生など動画出演も多数している。

1. 改正法の概要
| 改正内容 | 施行 |
| 被用者保険の適用拡大 | |
| 短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の規模要件を段階的に引き下げる
従業員規模(500人超から100人超、50人超へ) |
2022年10月1日
2024年10月1日 |
| 5人以上の個人事業所である適用業種に、弁護士、税理士等の資格を有するものが行う法律または会計に係る業務を行う事業を追加する | 2022年10月1日 |
| 厚生年金・健康保険の適用対象である国・自治体等で勤務する短時間労働者に対して、公務員共済の短期給付を適用する | |
| 在職中の年金受給のあり方の見直し | |
| 高齢期の就労継続を早期に年金額に反映するため、在職中の老齢厚生年金受給者(65歳以上)の年金額を毎年提示に改定する | 2022年4月1日 |
| 60歳〜64歳に支給される特別支給の老齢厚生年金を対象とした在職老齢年金制度について、支給停止とならない範囲を拡大する(支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準を、現行の28万円から47万円に引き上げる) | |
| 受給開始時期の選択肢の拡大 | |
| 現在60歳〜70歳の間となっている年金の受給開始時期の選択肢を、60歳〜75歳に拡大する | 2022年4月1日 |
| 確定拠出年金の加入可能要件の見直し | |
| 確定拠出年金(DC)の加入可能年齢を引き上げるとともに、受給開始時期等の選択肢を拡大する。
※企業型DC:厚生年金被保険者のうち65歳未満⇒70歳未満に引き上げ 個人型DC(iDeCo):公的年金の被保険者のうち60歳未満⇒65歳未満引き上げ |
2022年4月1日
2022年5月1日 |
| 確定拠出年金における中小企業向け制度の対象範囲の拡大(100人以下⇒300人以下)
企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和など、制度・手続きの見直し |
2022年10月1日 |
| その他 | |
| 国民年金手帳から基礎年金番号通知書へ切り替え | 2022年4月1日 |
| 未婚のひとり親等を寡婦と同様に国民年金保険料の申請全額免除基準等に追加 | 2021年4月1日 |
| 短期滞在の外国人に対する脱退一時金の支給上限年数を3年から5年に引き上げ | |
| 年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し | 交付日 |
| 児童扶養手当と障害年金の併給調整の見直し | 2021年3月1日 |
2. 確定拠出年金法の改正のポイント
日本の高齢化に伴っての就労機会の拡大を目指す社会を背景に、企業型確定拠出年金(企業型DC)についての加入要件の見直しなども行われていきます。働く人が加入できる確定拠出年金や年金の受け取り時期の拡大を行うことで、より多くの人が働くことを下支えしようとしています。
①受給開始時期の上限が60歳から75歳までに(2022年4月〜)
②加入可能年齢の拡大(2022年5月〜)
企業型DCと個人型DC(iDeCo)ともに、加入可能年齢が拡大します。
【企業型DC】
企業型DCの加入可能年齢は原則60歳未満(特別な規定により65歳未満まで可能)となっていますが、2022年5月以降は厚生年金被保険者であれば70歳未満の方でも加入できるよう、加入可能年齢が拡大します。65歳以降も働く人にとっては、70歳まで加入が可能となるので、年金受給額を増加させることができるというわけです。また、現行では、企業型DCへの継続加入の要件として、同一事業所での継続雇用が必要ですが、今後はこの制限がはずされることになります。ただし、企業型DCにの加入可能年齢を何歳に設定するかは、企業の制度設計によって異なるでしょう。
【iDeCo】
現在の加入可能年齢は60歳未満となっています。今後は厚生年金被保険者であれば、65歳までの加入が可能です。また、国民年金に任意加入している人であれば、65歳まで加入が可能です。
③企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者のiDeCo加入条件が緩和(2022年10月〜)
現行法では、企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入者がiDeCoへの加入が認められるのは、規約で定め、労使の合意が必要です。なおかつ、その際には、企業型確定拠出年金(企業型DC)の事業主掛金額上限を引き下げた場合に限定されています。
2022年10月の改正後は、この規約の定めや掛金額の上限の引き下げも不要で、原則として希望者はiDeCoに加入できるようになります。これまで加入できなかった多くの人が、企業型確定拠出年金(企業型DC)と、個人型確定拠出年金(iDeCo)両方に、加入できるようになるのです。
とはいえ、掛金の拠出には一定のルールがあります。企業型DCとiDeCoの掛金の合計額は以下のとおりです。
『拠出限度額』
| 企業型DCのみに加入 | 企業型DCと確定給付型(DB、厚生年金基金等)に加入 | |
| 企業型DCの事業主掛金額 (月額) |
5.5万円 | 2.75万円 |
| iDeCoの掛金額 | 5.5万円−企業型DCの事業主掛金額(2万円を上限) | 2.75万円−企業型DCの事業主掛金額(1.2万円を上限) |
また、加入している企業型DCで、加入者本人が掛金を上乗せして拠出する「マッチング拠出」を行っている場合は、iDeCoに加入することはできません。
④企業型確定拠出年金(企業型DC)の規約変更手続きの簡素化(2022年10月〜)
3. まとめ
少子高齢化が進むなか、どうやったら老後の資金を確保できるのか、従業員にとっては資産形成のうえで、大変注目が集まっている確定拠出年金制度です。










